おいらの2009・夏は、PEACHESで始まりました。

 あいにくの豪雨でスタートしたフジロック’09。初日の24日は14時でゴンドラがストップする事態に。山頂の歌のお兄さんもあわただしく歌を切り上げ下山せざるを得ませんでした。足を運ばんとしてくださった皆さま、ごめんなさいね…。

真昼間から同じくやり場のないやる気を持て余したギターパンダさんやハッチハッチェルさんと部屋でフテ呑み。あんなにたくさんあったアサヒスーパードライ500缶1カートンは日が暮れる前に膨大な量の燃えないゴミと化しました。

 べろんべろんで「めしでも食いに出かけますか!」と雨中の祭りへ繰り出した男たち。すぐに尿意をもよおしたあたしはトイレ待ちの行列に足止めを食らいあっという間にはぐれて一人ぼっちに。ビール尿意はいわば鉄砲水。なぜにあんなにも我慢できないのでしょうか。トイレ到達までの予想時間とこの鉄砲水を食い止め切れる臨界点を必死に計算しているそのとき、

「あ、おはようございます!」

 呑気に声をかけてくる男が。

 スネオヘアー。

「おぅいっすぅ、お疲れぃ!」なんて明るく返しましたが余裕はゼロ。顔で笑って拳は固く握ったいわゆるひとつの人間失格状態。そんなこちらを察してか、うっすらニヤけるスネオ。太宰はん、悔しいです。

 もう発散するよりほかにありません。運よくピットーレの屋台を発見。ピザと白ワインを胃袋に流しこんだらあっという間にテンション上方修正。そのまままっすぐレッドマーキーへ。始まったPEACHESのパフォーマンスときたら…。

 いやー。ずっと好きだったけどライブは初めて。なんでもっと早く観なかったのか!ハッピーで、クレイジーで、サービス精神の塊で、むっちゃくちゃパンクで、どぎついのに洒落ていて、しっかりとダンスミュージックで。そんなのが全部最初っから最後まで容赦なくて!なにかっつーと「脱げ、脱げ」とステージから強要する姉さま。聞けばほぼ同い年だという姉さま。次々と仰せに従うガイジン客。おいらももう、喉元まで脱ぎかかりましたよ。発狂寸前でしたよ。人のライブパフォーマンスをみてこんなに興奮したのは何十年ぶりかしら。恐るべき同世代。世界は、広かった。




 山から帰ったら山のような宿題が。ある夜〆切とひーひー格闘していたら脳裏に浮かんだ、

「なんかもう一個、今日中に済ませないといけないものがある気がする。」

手はキーボード、目はディスプレイにへばりついたまま、なんだっけかーなんだっけかー、と頭の端っこで自己検索。ヒット。

 アンパンマンでした。マドールを返しにいった日に新しく借りたアンパンマンの返却期限が本日の午前2時。現在間もなく午前1時。延滞料金なる出費がいかんともしがたく我慢ならないあたしとしては、即刻パソコン一時中断。もらったばっかのフジロックTシャツにしょぼしょぼのジャージ、ひげも髪もボーボーのままサンダルをひっかけてTSUTAYAへ直行。

 しかし、なんであんなに悔しいんでしょうか、あの延滞料金ってえ奴は。世の中には高価なものや出費のかさむことがらはたくさんあるのに、圧倒的に悔しい延滞料金。10円だって嫌だ。なんなのでしょうこの気持は。一度ゆっくり考えてみなくては。

 だもんで自動ドアをくぐったときの安ど感といったら。すっごい嬉しい顔でカウンターめがけて店内をずんずん歩いていたら視線の先によく知った顔が。

 カメラマンの浅川英朗さん。「俺たちは真心だ!」や最新のサイドカーの写真を撮ってくれた盟友。が、なぜこんなとこにこんな時間に。見れば周りに数人の大人たち。なにやら仕事をしている風。なぜにこんな遅くにこんな横浜くんだりで。

 浅川さんもこちらを発見してびっくらこいた様子。聞けばご自身のDVD写真集が発売されたそうで、そのキャンペーンの一環としてこのお店の窓ガラス等をふんだんに使って写真展を開いてもらうそうな。で、その準備を遅くまでやっていたと。俺の写真もあるじゃあないですか。「これ俺ですよー」などとスタッフの方々に馴れ馴れしく話しかける俺。ぼーぼーの汚ったないナリであることも忘れ記念写真を撮りまくりました。

 浅川英朗フェア!横浜はみなとみらいのTSUTAYAにて8月16日まで。最終日には何やら特別な催し物もあるそうですよ。1Fはスタバと本屋で広く涼しい店内。夏休みのレクリエーションのひとつとしていかがですか。入江監督の「くりいむレモン」は2Fにあります。私にとっては、あまりいやらしい内容の商品を買ったり借りたりするのは控えた方が良い期間になりそうです。




 さあさあ今週末にはロックインジャパン。

 フェスでの邂逅や出会いってえのもまたオツなもんでございます。今年は何が待ち受けているのでしょうか。いろんなとこうろうろしてるんで、声かけてください。

 では、会場で。