絶賛発売中のTomita Labニューアルバム「Shipahead」を君はもう聴いたか。

 我が国最高峰のサウンドメーカー冨田恵一氏によるソロプロジェクト、Tomita Lab。その名の通り冨田博士により日夜究極のポップミュージックが追求されておる、ちょっと行き過ぎぐらいの(いや、いい意味で、どころか最敬礼よ!)研究所。都内某所にあるというそこでは、いったいどんなことが起こっているのだろうか。曲ごとに毎度毎度ただでさえ大胆なテーマを、誰もそこまで追いかけないって!とつっこみたくなるような細部までしかも隅々まで追い込んで答えを出してそして、かつて人類が体験したことのない音楽の世界を「はい、お待ちどうさま」と我々のお膳に出してくれる。しかもそれが年々迫力を増している。世界レベルどこじゃないでしょ、世界屈指といえるでしょ。クラゲ85万匹手製の網で捕まえて研究してノーベル賞取った下村先生のたたずまいがダブります。情熱がとてつもない。度を超えた仕事っぷりはきっと見ていて笑うほどだろうなあ(いやほんと、最敬礼ですよ!)。アシスタントしに行ってみたいな、冨田博士の研究所。きっと音楽番博士と助手コントが天然で繰り広げられることでしょう。

 2003年のファーストアルバム「Shipbuilding」から数えてシリーズ3枚目となる今作。

今回もゲストボーカルにいきなり佐野元春さん、秦きゅんこと秦基博さんになんと吉田美奈子さん等々、目の眩むような顔ぶれ。そしてそして、作詞陣の鈴木慶一さんやあの松本隆御大たちに並んでちゃっかりあたしも名を連ねさせていただいております。しかもアルバム中唯一の博士ご自身によるボーカル曲の作詞で。おいしい。おいしすぎるぜ、俺。ベストテンやらカラオケやらの表記でさんざん目にしてきたあの憧れの“松本隆”の文字がCDブックレットの“桜井秀俊”の5センチぐらい右に。しかも同じ作詞家として…。お母さん、僕、東京で頑張っていますよ。

 坂崎幸之助さん曰く、

「ミュージシャンをやっていて何が嬉しいって、少年のころ憧れた人と同じ舞台に立てるってことが何より嬉しいよね。こんな特権ってないよ。」

 全くもって、同感であります。

 同世代のいつかのサッカー少年よ、俺は今いわばペレと同じピッチに立っている。同じくいつかの野球少年よ、同じグラウンドでファーストを守っているのはあれは王選手じゃないか!僕、今でもあなたのサイン書けます。

 しかも、あたしも長年博士のファンをやっておりますが、このアルバムが掛け値なしの最高傑作。究極のメニュー。

 いつものようにとーーーーっても凝っているのに、異常に聴きやすい。フルコースでいただいたのに、全く胃がもたれない。それどころかもう一回前菜から食えちゃう。むしろあの気持ちよさを再確認したくて、聴いちゃう。栄養価も高いがカロリーも高いはず。いけないいけない太る太る。でも安心してほしい。肥えるのはおなかではない、耳だ。いくらでも肥えたらいい。

 コース中盤で出てくるひと皿の“言葉”なる素材の調理は、僭越ながらあたしが担当させていただきました。是非とも、お召し上がりください。

 自分で言うのもなんですが、美味しく出来上がったのではないでしょうか。こみ上げるかなりのやったった感。魂がどや顔を禁じえません。自分でも歌っていきたいなー、なんて考えています。そう思ってCD聴きながらギターを持ったのですが。




 博士、コードが難しすぎてさっぱりわかりません!!