yubekoi 涙して、傷つき傷つけあっても明日はやってくる。
毎日に不満を抱きながらも、いつか幸せになりたいともがきながら生きる姿が24話描かれるショートストーリー集。

『罠』の主人公・友子は高級ブランドショップの店員として働いて7年になる。
たまたまお金があるだけのダサい女どもが、店の素敵なスーツを買っていくことに憤りを感じながら日々勤めていた。
自分のセンスに自信を持ち、センスを極める為に努力も惜しまない友子だが、どうして自分が作り笑いで物を売らなければならないのか納得がいかなかった。
本当は自分は華やかで注目される側の人間であるはずだと思っていた。
そんな或る日、高校の友人から電話がかかってくる。
他愛ない話の後、友人が今とても羽振りがいいことを聞かされ、友人の仕事について聞いているうちに、自分も友人と同じように儲けて今までの生活とサヨナラできるかもしれないと思うようになる。
友子は友人に勧められるままそのビジネスに足を踏み入れていく。
くすぶった人生なんか送るもんかと誓いながら。

他にも様々な怒り、喜び、悲しみに満ちた人々の姿が描かれる。
どれもこれもリアル過ぎて他人事とは思えない。
各物語の主人公と自分が重なって見える瞬間もある。
皮肉めいた物語、アンハッピーな物語が大半を占めるが短い物語なのでサクリと読める。
そして、短いからそこ感じる本質的なもの。
奥深い作品集。

角川春樹事務所 2003年>

著者: 唯川 恵
タイトル: ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った