今年になって、手紙を書きましたか?私は何通も書きました。ちょっとしたお礼状や暑中見舞いや年賀状以外にも。
でも、メールが主流の21世紀。
万年筆、ましてや毛筆で誰かに便りを、などという発想はなかなか起きないだろう。
そんな手書き離れの日常に変化をもたらす1冊。
行きつけの書店で平積みされていた、和紙のような素材に簡潔に書かれた文字を見てピンときてしまった。
『たて書きの手紙』
それは、思いの他私の心に響いた。
たて書き自体、縁遠くなっているなぁと。
帯にはこう書かれていた。
〝きものを着たり、野の花を飾ったりすると、心がやわらかくなります。手紙も和風に書くようにしてみましょうか。何かがきっと変わります。〟
「そうかもしれない」と、単純な私は思い、購入に至った。
手紙を書くという行為を楽しむ為のあらゆる術を教えてくれる1冊。
もちろん、手紙の基本的な書き方から封筒の表書きのレクチャーもある。
文字練習のコツも載っており、字に自信がない人でも練習してみようかな、と奮起できそうな優しい文章が続く。
途中途中に織り込まれる達筆な手紙の写真や著者が愛用する便箋・封筒類の写真も手紙に対する意欲を掻き立てる。
早速、鳩居堂の絵葉書で祖父へ手紙を書くことからはじめてみたが、これがまた楽しい。すっかり月に1通のペースで季節ごとに変わる絵葉書の絵柄を選び簡単な言葉をたて書きするという行為に嵌ってしまった。
なんとなく、感性が磨かれる1冊である。
ゆとりのない毎日に何か小さな変化を、とお思いの方がいればお薦めしたい。
祖父母や両親、疎遠になりがちな友人・知人へ絵葉書でも近況を伝えてみてはどうだろう。
メールのようなデジタルな手段ではなく、最強にアナログな手書きでたて書きな〝手紙〟という方法で。
きっと自分も、受け取った相手も、何かが変わるのでは?
<文化出版局 2004年>
著者: 丹生谷 真美
タイトル: たて書きの手紙