ベルギーでテロ事件が起こった。許しがたい事件である。犠牲になられた皆様に衷心より哀悼の意を表します。また、このような事件が起こらないように努力していきたいと思います。

 安倍総理は消費税を引き上げたくないのだろう。引き上げたくないというより、アベノミクスの失敗で、消費税を引き上げられる環境にないと言った方が適切なのだと思う。自分で判断できないので、有識者の判断を仰ぐことにしている。リーダーには程遠い総理である。

 私は当初からアベノミクスに否定的だった。円安に誘導され株価が上がった時点でもうまく行かないと主張していた。その根拠は、物価に対する考え方にある。総理は物価が上がらないから経済が悪いとおっしゃるが、物価は何かの原因になるのではなく、需要と供給の結果で決まるからである。

 物価さえ上がれば経済は改善するという考え方に沿って経済対策が作られている。その結果、円安に誘導され輸入食材を中心に物価は上昇した。しかし、肝心の賃金が上がらないのだから、実質的には賃金は下がることになるので、消費は増えないのである。

 何故物価は下がっていたのだろうか。理屈は簡単である。景気が悪いから庶民は買い控える。つまり、需要が減ることになる。そうなると消費を増やすために、企業は物の値段を下げて消費を喚起しようとする。だから物価は下がっていたのである。

 消費が落ちている原因は3つある。それは、人口減少と賃金の低下、そして将来不安である。このことを解決しない限り、消費は伸びない。GDPの60%は個人消費である。個人消費を伸ばすような対策を取らない限り、日本の経済は上向かない。安倍総理は消費税の引き上げを行わないのであれば、自らの経済対策の誤りを認めて、潔く退陣するべきである。

参議院議員・医師 桜井充



【秘書のつぶやき】
 桜井充秘書小林です。
 政府は今月の月例経済報告で、景気判断を5ヶ月ぶりに下方修正しました。消費は弱く、企業収益も悪化しています。結局のところ、「景気の好循環」はなかったわけです。安倍総理と黒田総裁は賃上げが一向に進まないことに「残念」「不可思議」と評されていましたが、どうも総理や総裁のお耳には良い情報しか入っていないのではないでしょうか。いや、むしろ聞く耳を持っていない、もしくは忠言する方がおられないということなのかもしれません。
 一体、「アベノミクス」の何が成功していたのでしょうか。経済指標を見る限り、多くの指標は民主党政権からの延長線上にあり、単純に世界経済が好調であったことが背景にあることは明らかです。確かに株価と為替に関しては直線の傾きが変わりましたが、株価を引き上げるために日銀による追加緩和政策と短期間にETFの大規模購入とGPIFの年金基金による株式の購入を集中させただけの話です。
 ウォールストリートジャーナルにおいて、アベノミクスについて「強力なパンチを持っているはずだったが、『ガラスのあご』だと分かった」と評されていましたが、まさにその通りだと思います。(小林太一)