今日の終業時、更衣室の入口に

1匹の緑色の小さなカナブンが落ちていた。



死んでいるのか?



拾い上げてみると

モゾっと

微かにうごいた。



するとカナブンは

何かに気づいたように

私の指に

ギュッと

しがみついてきた。


とても意志のある強い力だった。



まだいける



と言われた気がした。




私は中庭まで行き

手頃な枝にカナブンを放した。


「頑張れよ」


カナブンを助けたつもりだったが

自分が励まされた気がした。


最近

思うようにいかない事ばかりを

くよくよと考えていた。


カナブンの強い力に

ハッとさせられた。



お互い頑張ろうぜ

まだいける!


そうだな。

お互い頑張ろう!



夏の一瞬のエール交換

良い時間だった。