昨日は夜勤明けで休みの日だった。



前日は晴れていたのに、夜のうちから天気が崩れ始めて、朝からはすっかり雨模様に様変わりをしていた天気となっていた。






そんな雨降りの昨日の事…





帰宅して空気の入れ替えをしようと雨戸を開けた時に見つけた。 




足の長い少し大きめのクモが、器用に雨戸と物干し竿の間にちいさな巣を張っていた。 




別に私はクモは嫌いではないが、好きではない 





だけど、昔から何故か殺せないのだ




何か悪い事が起こりそうで、子供の頃からクモだけは殺せないのだ



だから、見つけると殺さずに追っ払うのだけど…。 



この時も、巣を掃えばクモごと掃える状態だったのでホウキを持って来て掃おうとした。 





待てよ……。 





考えてみれば、雨が降っている。 

別に、今、物干し竿を使う訳でもない。 

雨宿りくらいいいか…。 

と思い、ホウキをしまった。 





夜になり、寝ようと思い、換気していた窓を閉めようとして、見てみるとクモはまだそこにいた。 





うーむ、どうしたものか…。 





「今は良いけど、晴れたらそこはダメだよ。
洗濯物を干すからね。」 




と、クモに言った。 
(頭は大丈夫です)



そんな訳で、クモの巣はそのままにしておいた。 












そして、今朝。

早くに目が覚めて空気を入れ換えようとして窓を開けると… 



……あれ?…ない……。 



クモの巣がキレイさっぱりとないのだ。 

まるで、そこにはクモの巣などなかったかのように…。 





雨は上がっていた。







「ちゃんと聞こえていたのかなぁ…」 




不思議なちいさなお客様。 


そして、私はますますクモが殺せなくなっていく…。