馬鹿じゃないの?!

最近、職場である人物によく思う感情だ。

本当に周りを良く見ないで行動し、自分勝手に都合の良いように解釈して、結果、何の役にも立っていないのだ。

それが信じられない事に正社員!
(うちは派遣会社なので私も含め大多数が契約社員)


しかも何を勘違いしているのか、
残業もそこそこに帰宅しているくせに(いてもあまり役に立ってはいないが)
タイムカードは押さずに帰るのだ。

職場には、タイムカードの他に各自で記入する「勤務日報」があり、それには
そこそこの残業時間を記入しているらしい。



考えの浅い奴の、更に薄い浅知恵に、失笑とヒンシュクをかっている日々。



当の本人は知ってか知らずか、それとも

正社員の特権

とでも思っているのか、しれっとしている。



こんな事は長くは許されないと思うが、
社会人として、一瞬でも許されると思える思考回路が信じられない。

本当に


馬鹿じゃないの?!

と思う。

少なくとも私の判断の中では、


頭が悪い

と思う。



本当に頭が良い、賢いって人は…

と、思った時、ふと思い出した事があった。












私が小学生の頃、母親は近くの大手スーパーの青果部でパートをしていた。 



そこへ一人のアルバイトが入ってきた。 




彼は、現役で早稲田大学法学部に入り、卒業後はこのまま大学院に進むか司法試験を受けるか迷っていた。 

どちらを選ぶにしろ、その歳までアルバイトもしたことなかった彼は、社会勉強にと軽い気持ちでアルバイトに来たらしい。 



明るくて素直な性格だった彼はすぐに周りにも打ち解けて、真面目に良く働いていた。 





そんなある日… 






泥つきネギと泥つきジャガ芋が入荷してきた 

もちろん、新鮮さをアピールするためにあえて「泥つき」の品物だ。 



しかし、彼はその品物を全て迷うことなく洗おうとして、周りはビックリしてあわてて止めた。 



止められた彼はキョトンとして、 



「だって泥だらけで汚いじゃないですか。」 


と言った。  


「え?!その方が『採れたて』って感じがするでしょ?」 



「採れたてって…でも、泥だらけですよ?」 





…そう。 






彼は驚く事に、ジャガ芋がネギが泥に埋まっていて掘り出す…と言うことを知らなかったのだ。 

考えた事もなかったようだ。
(芋掘りの経験もなかったらしい)



彼はけしてガリ勉ではなく、小さい頃から勉強が大好きだった。 



「趣味 勉強」


という感じである。 



楽しいから勉強する→出来た
嬉しい→褒められる
親も喜ぶ 周りにも一目おかれる→また、嬉しいし楽しいから勉強する…




こんな感じで人生を送ってきた自分を

彼はその時初めて恥じた。




そして、大学院も司法試験も
スッパリやめてしまった。 





「勉強だけ出来る人間が弁護士になったって駄目だ!!
何も出来ない!!





彼はそれから就活をして、勉強以外の大切な事を一から学ぶ為に社会に出る事を選んだ。 






ずっと昔に母親から聞いた彼の話…。 

「深いなぁ…」 

と久々に思い出した。 










十年後の自分はこの話をどういう形で思い出すのだろう…。