憧れないで下さい!

性同一性障害なんてろくなものではありません!!


私がホルモン治療を始めて、更衣室問題や改名等を具体的に会社に相談を始めた頃の話です。

当時の職場にショートカットで女子高生時代にはソフトボール部、文化祭ではバンドでギターなんかを弾いたりして後輩の女子にモテていたというおばちゃん(私より6~8つほど年上)がいました。

良く言えば「ボーイシュ」。

悪く言えば「高校生から成長していない」人でした。


私がカミングアウトする前から常に何かにつけて 「自分は男みたいだからさ~」とアピールする人でした。


ある時、カミングアウト前だった私は

「もしかして『体は女だけど心は男』って人??」

と、あんまり「男まさり」をアピールしてくるので逆に質問した事がありました。


すると、彼女は即答で

「ちがうよ!!そういうのじゃないから!!」

と、ちょっと怒ったようにキッパリ否定しました。


あ、やっぱりね。


当事者はあまり「男まさり」をアピールしません。
と、いうのも…と言うか、少なくとも私は…アピールをしなくとも周囲から「男だなぁ」と思われたかったからです。

考えてみてください。

普通の「男性(純男)」が何かにつけて「俺は男だから!」なんていちいち主張しますか?

「らしさ」は自然体を見た周囲が決める事だと思っています。


しかし、この彼女はいちいち

「ほら、ウチは男みたいじゃん」

と言うのです。

全否定をした彼女に私は面倒くさかったのでそのままカミングアウトしました。

その時のビックリした彼女の顔は今でも忘れられません。


それからしばらくは彼女も大人しくなり、無意味なアピールもしなくなりました。


が、しかし!

周りにカミングアウトして、私の治療が進んでくると

「ウチもやろうかな…」

改名してその手続きをしていると言えば

「ウチも名前変えようかな…」

等と、これまたいちいち反応するようになりました。
しかも、ピアスの穴を開けるか位の気軽な感じに!!

アピールするわりには全くアクションは起こしません。

ただただ、いたずらにアピールするだけなのです。



アホか、コイツ!!

私がここまで来るのにどれだけの思いをして、時間がかかったと思っているんだ!



完全に「なんちゃって性同一性障害」の典型的な女性でした。


「なんちゃって性同一性障害」


たまにいるのですが、大体がこの彼女のように外見的にボーイシュな人が多いです。



以前、mixiの性同一性障害のコミュニティでいろんな人達と交流をしていた時にもらったメッセージの中に


「私は性同一性障害になる事を望み、希望しています。通っている病院の情報を教えて下さい」


というのがありました。



信じられませんでした。



「望む」って…?!


「希望」って…??!!


病院に行って偽りのカウンセリングをして、ホルモン治療を受けようというのでしょうか?


あり得ない!!




もちろん、

「望んだり希望したりするものではない!」

と返信しました。


後日、性同一性障害のNPO法人を立ち上げたmixiで知り合った当事者にこの話をしたら、驚いた事にそういう話は珍しい話ではなく結構あるそうです。

やっぱり彼もそういう問い合わせには

「望むべきものではない」

と返事をするとの事でした。






憧れないで下さい。



自分の性別に違和感がない…。



こんな幸せな事はありません。




2週間に1度、クリニックに通い注射を打つ。


お金も時間もかかります。
ホルモン剤は保険適応されません。


一生続けていかなければなりません。


3か月に1度、血液検査もあります。


油断していると肝機能障害になります。


私の肝機能の数値は今現在、基準値の約3倍近く高いです。


経過観察中です。


体がだるくて仕方のない日もあります。





副作用には個人差があります。


でも、背負っているリスクはみんな同じだと思います。





よく人から

「今度生まれ変わったら男に生まれると良いね。」

と、言われますが、それは違います。





私は今度生まれ変わったら、男でも女でもどちらでもいいです。





「違和感なく生まれて来たい」





それを「望み」、「希望」します。