関帝廟……三国志で有名な武将「関羽 雲長」を祀ってある。

関羽はその義理人情に厚い性格から、今日に至るまで人々から慕われ、今では神様として祀られています。

特に商売には義理人情が大切と考える華橋の人達からは「商売の神様」として崇められていて、華橋が集まるチャイナタウンには関帝廟があると言われています。

とは言え、商売を抜きにしても、関帝廟を訪れる中国人の信仰心は厚いです。

日本人は観光気分で訪れる人が大多数ですが…。


そんな関帝廟に私は泣き晴らした顔でやってまいりました。
(なぜ私が泣きっ面なのかは前回のブログ「たくさん泣いた日・1~慟哭~」を是非読んで下さい!)



私は失望と絶望の中、関帝廟にいました。



入場料替わりのお清めのお線香を買って、鼻をグスグスしながら火をつけていると関帝廟の方々の

「どうした?何があった?」

という感じの視線を痛いほど感じました。



お清めの線香をあげて、いざ本殿へ。

本殿入口にいる係りの女性も泣きっ面の私にギョッとしている感じでした。


この時の関帝廟は、参拝者は一人もおらず、不思議なほど静かでした。


私は、関帝の前にひざまづき祈りました。



「この先、どうしたら良いかわかりません!助けて下さい!!」




と、その時祭壇にある「おみくじ」が目に入りました。

関帝廟のおみくじは「本当に困った時にひくと関帝からのメッセージが貰える」と聞いていました。

私は迷わずひくことにしました。



本格的な中国のおみくじです。

まず、菜箸よりも長いのではないかという番号が書いてある棒がたくさん入った箸立てのような容器を上下に降り、飛び出して来た棒の番号のおみくじを受け取るのですが、このまま受け取る事は出来ません。

もうひとつ、手のひらサイズの木で作られている勾玉のような物を両手に持って投げます。

この時、勾玉が「表と裏」に綺麗に別れればその番号でOK。

もし、「表と表」や「裏と裏」のように同じものが続けて出てしまったらその番号は「NO」という事になります。


私は藁をもすがる気持ちでおみくじを降りました。


カシャッ!


と、綺麗に1本の番号棒が出ました。

そして木の勾玉を両手に1つずつ持って投げました。


カラン!カラン!


表と裏でした。

1度であっさり決まりました。


番号を見せて、先程私を見てギョッとしていた中国人女性からおみくじを受け取りました。


そこに書いてあった関帝からのメッセージは………。





「一面から見たものが物事の全てと思うな」





また涙が溢れそうになりました。

今の私にこれほど的確なメッセージは他にあり得ませんでした!

私が関帝からのメッセージを持ったまま涙をこらえて立ちすくんでいると、おみくじを渡してくれた女性が何かを察したように

「大丈夫?良かった?」

と中国訛りの日本語で声をかけてくれました。

「はい!……金紙を納めても良いですか?」

女性はニコッと笑ってうなづきました。


私は金紙を納めました。


金紙は関帝へのお礼の意味があります。


金紙は御祈りをした後、関帝廟にある専用の窯で焼きます。

私はその時、例のインチキ紹介状と失望と絶望から救ってくれたおみくじと一緒に焼きました。


「気持ちを入れ換える事が出来ました。
ありがとうございました!!」



そして、関帝廟を後にしました。

すると、突然お腹が空いていることに気がつきました。

大きな豚まんにかじりつきながら、もう泣きっ面ではない事に気がつきました。




関帝廟……最高のパワースポットです。

私は性同一性障害の治療はあきらめない!

改めて思いました!

「障害」なんだ!乗り越えなくては!



そして新たな1歩を踏み出す事になるのです。