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「そう。自分だもの。折り合いつけるしかないよ。
ほかの誰かになりたいとか、自分が嫌いとか声高に言ってても、
多分、なんにもなんないだろうし。
割とたくさんの人が、どうして自分はこうなんだろうって悩みながら、
毎日それなりにやり過ごしてるんじゃないのかな」
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「宇宙的な規模で考えたら、
自分が自分でいられる時間なんて、
ほんの一瞬の、そのまた一瞬の一瞬の
一瞬の一瞬でしかないんでしょうしね」
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「自分でいられる時間が一瞬なら、
その短い時間のこれまた貴重な一瞬を
誰かと共有できただけで、
御の字なんじゃないかなって」
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大好きな『マカン・マラン』の著者古内一絵さんの作品。
新元号が発表になった日から物語ははじまる。
新元号・・・つい最近のことなのになんだかもう遠い過去のような気もする。
読み終わってから気づいたのだけど、
『キネマトグラフィカ』の続編みたい。
こちらを先に読んでしまった。
おそらく前作からの続きなのだろうけれど、こちらだけでも十分楽しめる内容でした。

