次男は小学1年生から高校3年生まで特別支援学校に通いました。
15才(高校1年生)の時に、 「保護者のための学習会」で先生が「10の大切なこと」を教えてくれたので共有します。
1.高校を卒業したら本人の自由にさせよう
高校を卒業したらもう大人です。親の干渉は必要ないと考える子もいます。 実際に脳性麻痺の子で一人暮らしを選んだ子もいました。「生活は大変だけど、親と離れて自由がいいんだ!」と言っていました。
2.学齢期の目標は「意思表示」と「意思決定」が出来ること
(悪い例)「この子、分かってないんです」
(良い例)「この子は『まばたき』でお返事できます」
預ける時に、親がこう伝えるだけで、本人の1日が充実します。支援者は『まばたき』を待つようになり、コミュニケーションしやすくなります。
3.「お母さんを呼ぶ合図」に気づこう
コミュニケーションの第一歩は、子供がお母さん(お父さん)を呼ぶことから。コミュニケーション方法を学ぶことで人生が豊かになります。お母さんは「その子なりの方法」を支援者に伝えてください。そうすれば支援者も有難いです。
4.「子離れ」と「親離れ」が課題
ヘルパーさん等、親以外の色んな支援者に接することが大事です。
慣れないヘルパーさんにやってもらうのも勉強です。本人が頑張って伝えようとして「トイレ」と言えるようになった例もあります。
5.「子離れ」の方法
「あなたは高校1年生よ(15才よ)」と毎日言ってみましょう。それは親自身のためです。親は毎日「もう15才だ、大人なんだ」と自分に言い聞かせることで徐々に子離れできるようになります。
6.「人を引っ張る力」を身に着けよう
待つだけの人ではなく、自ら人を呼べる人になろう。声が出なくても、まばたきできなくても、笑顔になるだけでいい。本人が笑顔なら周りも笑顔になる。気にしてくれるようになる。それがコミュニケーションの入口です。
7.「決める力」と「選ぶ力」を身に着けよう
(悪い例)「あなたはコーヒーよね?」
(良い例)「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」
毎回、本人に聞くことが大事です!自分で「決める力」と「選ぶ力」が身に着きます。「コーヒー」と選べるようになるといいですね。表現方法は「声に出す」「指差しする」「まばたきする」「視線」など様々です。
8.親の直感は本人の気持ちに近い
お子さんの進路を迷うときがあると思います。本人の意思が分からなくて悩むこともあるでしょう。そんなときは、親の直感を信じて良いと思います。親の直感は本人の気持ちに近いものです。
9.卒業時は理想の進路でなくても、翌年以降に理想に近づけることができます
卒業時→「週2日、親送迎が必要な生活介護」に入所
翌年→「週3日、親送迎が不要な生活介護」を併用して週5通えるようになり、「隔週土曜はデイサービス」を使うようになった例があります。
10.子供はとっくに大人です
子供はできる範囲で自立しているのに関わらず、親の方が「手厚かった学校から、人員が少ない施設に移って不安」になることが多いです。朝遅く出て夕方早く帰って来る短所はありますが、夏休みがなくて定期的に出勤できる長所がありますよ。不安になる必要はありません。