障害のある次男がグループホームに入居して、独り立ちの目処がつきました。

 

区役所の「親あるうちのライフデザイン」というセミナーにヒントを得て

「親がいなくなったときに、次男は勿論のこと、長男と三男が困らないように」

と、お金のこと、契約のこと、医療のこと、障害者と介護者が受けられるサービスのことをまとめています。これが次の世代のパパママさん達の助けになったらいいな、と思います。

 

前回はこちら

『障害者の独り立ち~収支編⑥年金保険料が納付猶予されました』次男は障害年金を申請中です。  前回はこちら『障害者の独り立ち〜医療編〜』障害のある次男がグループホームに入居して、独り立ちの目処がつきました。区役所の「親あ…リンクameblo.jp


 

今回は福祉用品の話です。

 

次男は身体障害者手帳一種二級と療育手帳A1を持っているので、いくつかの福祉用品の作成・修理について補助を受けられます。

 

◆車椅子

かかりつけのPTさんと相談しながら、数年に一度作り替えて来ました。赤ちゃんの頃は市販のA型ベビーカー(首が据わるのが遅かったのでしばらくA型でした)、幼児期はバギーと呼ばれる障害児用ベビーカー、学童期から車椅子を使っています。

 

車椅子も軽くて折り畳みできるものから始め(この頃は車に積むのも楽だった)、成人になると体重も増えて力も強くなるので、動きに負けぬよう頑丈な物をフルオーダーで作るようになりました。お陰で重いです(泣)!

 

PTさんと「そろそろ新しい物を作ろう」となったら、まず、区役所に行って、補助を受けられるか確認します。これを先にやらないで作ってから却下されたら悲惨です。20万円くらいかな?自費は痛いです。

 

それから療育センターの「補装具外来」に行き、業者さん、PTさん、ドクターと「どんな機能が必要か」を話し合いながら進めていきます。医師に診断書を書いてもらって、業者さんに見積もりを出して貰ってGO!

 

区役所に必要書類を提出し、しばらくして補装具支給決定通知書が届いてから作り始めます。子供のときは親の収入で自己負担費が決まりますが、上限があります(37,200円だったかな?)。今は成人で本人の所得が0円なので、全額公費になります。ありがたや。

 

彼は黙って座ってくれなくて、両車輪を持ってガタガタと左右に揺らすため、市販の車椅子だと「バキバキ!」と音がして軸が折れてしまいました。怖っ!なのでフレームを普通の2倍の強度にした特注品をフルオーダーしています。

 

設計図は業者さんにお任せなのですが、フルオーダーだと色を一から決めなければならず、センスのない私には苦行です。「フレームの色は?シートの色は?」など。とりあえず視力障害のある息子は赤色なら見やすいようなので、基本は黒×赤です。フレームは銀色(無塗装)なら0円、格好良く塗装すると有料です。

 

息子は「施設用と家用」の2台を持っていますが(2台まで公費で作れます)、家用はメタリックレッドに塗装しました。「障害者だけど少しでもカッコ良くしたい」という親心です。車椅子バスケをテレビで見るようになったし、スポーティーな感じならイイかな?と思いました。

 

テーブルも、業者さんに黒いラバーでカッコよく作って貰いました。

 

ちなみに修理も公費で出来ます。

修理の場合には医師の診断書は不要なので、業者さんと直接やりとりします。業者さんが施設に出向いて車椅子をピックアップしてくれることもあります。(感謝!)

 

アームレストをガタガタさせるので、何度も軸を折ってしまい「ここを折る人は風ちゃんしかいませんよ!」とビックリされています。

 

 

家用車椅子と靴型装具

 

 

 

施設用車椅子

 

※テーブルの画像や、新規作成・修理のことは過去ログを見てね(テーマ別>補装具)

 

◆座位保持装置1(食事用椅子)

座位保持装置とは椅子のことなんですが、我が家には「食事用」と「車載用」の2つがあります。これは18歳未満までしか新規作成の補助を受けられないので注意が必要です。修理は18歳以後も公費で出来ます。

 

そもそも彼のために最初に作った福祉用品は「panda」という食事用椅子でした。2歳でまだ首が据わらず、ご飯を食べさせるのに苦労しており、療育センターで相談したところ「身体障害者手帳を取って、座位保持椅子を作ったらいい」とアドバイスされたのが始まりです。

 

Pandaはデンマーク製の高価な福祉用品なんですが、めちゃくちゃ便利なんです!美容院の椅子のように、ペダルを踏むと昇降するので、テーブルに合わせて高さを変えられます。何しろ介助者の力で昇降する訳ではないので、腰の普段にならないのです。

 

成長に合わせてサイズを変え、2台使いました。

 

3台目もpandaか?と思っていましたが、やはり暴れて左右にガタガタし、軸をバキバキ!と折ってしまったので、業者さんが「pandaを折るなんて聞いたことない。ものすごい力だ」と感嘆(?)して、木工で素敵なのを作ってくれました。

 

これも成長に合わせて座面シートを作り替え、長く使っています。オーダーなので木の温かみとリビングインテリアに合う色で気に入っています。

 

作り方の手順は車椅子と同じで、補装具外来で診断書と見積書を書いて貰って、区役所で申請します。本人が無所得なので、新規作成も修理も0円です。

 

食事用椅子

 

 

◆座位保持装置2(カーシート)

車載用座位保持装置とはカーシートのことです。うちは「高校卒業して生活介護施設に通うようになったら、そこの送迎車に合わせて作ろう」と思って、わざわざ18歳になるのを待ってたら、公費が受けられなくなってしまいました。療育センターという主に子供を診る所で相談していたため、そのことに誰も気づかなかったのが失態でした(泣)

 

それでも生活必需品なので作らざるを得なく、全額自己負担で作りました。8〜10万円位だったと思います。障害者用カーシートに穴を開けて3点ベルトを付けました。

 

乳児期は市販の赤ちゃん用カーシートを、学童期は市販のカーシートでヘッドレストが付いているものや、carrotという障害者用カーシートを使っていました。自家用車と特別支援学校の送迎バスにつけなければならず、足の長さに応じてエクステンション付けたり、毎日使うのでシートがすぐダメになったり、やたらと修理してた覚えがあります。

 

カーシート

 

 

◆靴型装具

歩くようになってから、ドクターに「足首が傾いているので装具を履きましょう」と言われて、靴型装具を作りました。

健康保険でも身体障害者手帳でも作れます。

 

最初は健康保険で作りました。重度障害者で医療費無料なので、靴型装具は全額無料になります。ただ、健保で作ったものは修理費が有料、一足しか作れません。

 

足を引き摺るようにして歩くため、靴底と足先の減りが早く、修理費がかさむことと、健保は全額支払った上での還付なので、10〜15万円を一旦払わなければならないこと、一足しか作れないので修理中に履くものがないのに困って、途中から身体障害者手帳で作ることにしました。

 

健保でも手帳でも、「次の靴を作るのは○年以上経ってから」という制約があるので注意が必要です。

 

身体障害者手帳で作る場合の手順は車椅子と同じです。これも毎回色やデザインを決めなきゃならないので、カッコいいハイカットシューズの写真を元に、業者さんに「こんな風に作ってください」とお願いしています。手帳だと新規も修理も公費で無料です。

 

写真は車椅子に乗っている彼を見てね

 

◆紙おむつ

支給数に上限がありますが、紙おむつとパットの補助が受けられます。ベビー用では小さ過ぎ、大人用では大き過ぎ、その間のサイズは一社からしか出てなくて、おむつ替えも頻繁だからお値段張って…という時代は、支給数では足りませんでしたが、今は大人用おむつとパットを使い、ギリギリ足りています。

 

お尻拭きが対象でないのは残念です。おむつだとトイレットペーパーでは綺麗になりませんしね…お尻拭きは必需品です。ベビー用お尻拭きでは小さすぎるし、ドラッグストアの介護用お尻拭きは高価だし…。百均の大人用お尻拭きが72枚入り100円なので愛用しています。

 

手順は、区役所で相談し、おむつ支給をしている店に見積書を書いて貰い、区に申請して、給付決定通知書が出たら、店に注文して、取りに行きます。うちはチェーン店のドラッグストアに頼んでいます。郵送してくれる店もあるようですが、うちは取りに行く方式です。

 

申請は年2回、身体障害者手帳で公費で無料です。

 

◆住まいの福祉機器

うちはグループホームにいるので必要ありませんが、自宅の段差解消機や椅子式階段昇降機、ホームエレベーター、リフトなどの補助が受けられるそうです。

 

◆日常生活用具

以前、介護ベッドを利用しようとしてフランスベッドさんの説明を聞いたら、ベッド以外にも受けられるものがあると教えてくれました。その際に頂いた冊子の目次です。このような補助が受けられるそうです。

 

 

◆さいごに

私の頭の中には「こんな福祉用品が公費で作れて、こんな手順」というのがありますが、夫も息子も知らないので、ファイリングし、ここに書いてみました。

これでいざ「車椅子が壊れた!」なんてときは、私でなくても分かるはず!

 

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