愛犬のこと | さーやの庭

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先日、愛犬が亡くなった。
今日はここに愛犬の記録を記しておこうとおもう。

実家で飼われたのもほんの偶然。

ある日父が元々飼っていた雄犬のお嫁さんに、、と、まだ赤ん坊の雌犬を連れて来たのだ。

黒い毛が少しまざり、なんともぷちゃっとした赤ちゃん犬。
冬生まれなのに私が思い入れのある桜にちなんで
「さくら」と命名された。

その頃受験を控えた高校生の私は
自分の部屋からさくらのいる別室に移動し、
さくらを膝にのせてあやしながら勉強した。

最初は新参者に吠えまくっていた雄犬リッツだったけど、
窓越しに毎日顔をあわせてるうちに慣れて来て、ようやく二匹一緒に外で暮らしはじめた。

小さい頃はジャンプ力がすごくて、
塀までジャンプし、そのまま塀につかまり外の通行人たちを驚かせたこともある。
また、脱走歴は数知れず・・警察のお世話にもなった。
軽井沢ではもうみつからないかとおもったり。。

さて、3年間の間に立て続けに12匹も子供を産んだお母さんさくら。
出産のときは誰も教えてないのに
赤ちゃんに巻きついた皮を口で剥がし、丁寧に舐めてやったり、
おろおろしながら近づくリッツに吠えたりもした。

無事、子供たちはそれぞれ知り合いの元などに巣立っていき、
それからはしばらく2匹の穏やかな生活。
散歩するにもご飯をするにも寝るのも一緒。
どこかクールなリッツに対し、
甘えん坊で人なつっこいさくら。
そのバランスがなんとも愛おしく。。

月日が経ち、リッツに老いがやってきた。
リッツは自分が何者かもわからなくなり視力や筋力も衰え、毎日吠えるようになった。
残念ながらご近所の迷惑も考え、リッツは室内、さくらは屋外と分かれて生活。

そして介護がスタートして1年。
リッツは15年生きて旅立った。

さくらは冷たくなったリッツに近寄り少しくーん、と鼻を寄せていたのを思い出す。

さくらはそれから
我が家に家族が増えていく度に、
撫でてもらい、お散歩に連れてってもらい、ときには旅行も一緒にした。

娘がお腹にいたときのこと。
予定日を1週間過ぎようとして、いよいよ明日は入院しなくてはならない、とお医者さんに言われていた。
するとその前日、なぜかさくらが寝ていた私のお腹の上を飛び越えたのだ。
そしてその後間も無く陣痛がきたのだ。

今でも安産であったことや、娘に「もうでておいで!」といってくれたのは
さくらのおかげだとおもっている。

娘が産まれてから実家に遊びにいくたびに娘とさくらの距離もどんどん近づき、
このところは娘がさくらを呼んで餌をあげたり、よちよち歩く娘を心配してさくらが着いて見守っている様子がみられていた。

およそ2週間ほど前。
母から連絡があり、さくらの体調がよくなく、病院に連れていったところ
リンパ癌が全身に転移し、末期の状態であることがわかった。

先生も長生きした犬は最後は癌にかかる犬がほとんどだとのこと。

ショックもあったが今思えばそこで覚悟もできていた。
そこからは足が思うように動かなくなり
さくらは室内に。
父母の迅速な対応に、かなり回復し、餌もよく食べるようになっていた。

私たちは祖母に会いに行く旅行もどうしようか考えたがお義姉さんや父がかわるがわる面倒みてくれたおかげで祖母にも会うことができた。

そしてわずか数日後、
私は珍しくいつもとは違う曜日での妊婦健診があり、
病院から近くの実家に前日からきていた。

朝、まだ娘も寝ている中、
さくらはリビングで起きていた。
汚れてしまったオムツをかえて、綺麗にしたあと、
私はそっと抱き上げて餌をあげた。
娘がその頃起きたので、娘も餌のお手伝いをしてくれた。
お水もよく飲んで、満足そうに横たわった。

その後健診から帰り、
いざ実家を離れるときにも
よくお昼ご飯を食べたさくら。
「またすぐくるからね、元気でね。」
と撫でたのが最後となった。

夕方から痛みなのか吠えだし、
母や父が撫でたりさすったりしているうちに落ち着いて眠ったそうだ。

そして夜遅く、
同じ部屋で何度かさくらを確認していた母がふと目をやると、さくらは眠るように亡くなっていたそうだ。
17歳の大往生。
まさに名前のとおり、さくらの季節が終わると共に旅立っていった。


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こちらは去年の夏の写真。

私にとっては姉妹のような、もしくはそれこそ娘のようでもあった家族の愛犬。
最後の1日を一緒に過ごせてお世話をできたことは
愛犬さくらが私のことを待っていてくれたのかな?と思わずにはいられない。

大切な存在を失う悲しさは人でも動物でも関係なく悲しいけれど
この別れまで数え切れないほどの思い出を一緒につくってくれたさくらにありがとう、という気持ちが溢れてとまらない。

今頃、天国のリッツと仲良くお散歩してるかな?
どうぞこれからも私たち家族を見守っていてね。