「号泣する準備はできていた」 | さーやの庭

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「号泣する準備はできていた」
江國香織

を読んだ。
2004年に直木賞を受賞した作品だ。
主人がかつて読んだらしいのだが忘れてしまい、この三連休に私はその小説を引き取り読み始めた。

短編集。
私は小説の中でも短編集が好きだ。
まあ、飽きっぽいのかもしれないけれど、忙しいときなんかは長いのを読み始めても忙しいまま読まずにおわって、内容すら忘れてまた頭から読まなきゃいけなくなる、ということがよくあったからかもしれない。

本を読んで思ったことは
理屈ではあらわせない、人のこころに深く残ってしまったもの、
自分でも無意識なのか意識的に演じてしまうこと
不器用でもなんでも曲げられないものがあること

そんな誰しもが日常の中で
起こりうる心の動きを
江國香織さんは繊細な描写の中に
ピリッとしたスパイスを入れ込んで私を引き込んでくれる。

誰もが素直に自由に生きたくても
年齢を重ねていくうちに
ぺたぺたとしがらみのシールを貼っていってしまう。
「こうである」
「こうでなければならない」
簡単にいえば頭がカチカチになってくる。

他人から(たとえ家族でも)見える自分を演じつくってしまう。
そんなことに知らないうちにストレスがたまる。
繰り返し。繰り返し。

働いてる、働いてない、が問題ではない。
人は日常で人とふれあい、
コミュニケーションにしごかれ、
世界を広くみていることが大切だ。

自分の正しいとおもってることが
100パーセント否定されても
その人の話が聞ける人でありたい。

きっと100パーセントの否定は
変化し、
100パーセントの肯定も変化するのだから。

主人から譲り受けた小説はざっと数えて7冊。
次回は主人の大好きな宮部みゆきさんのワールドにはいっていこう。









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