音楽って素晴らしいとあらためて感じた作品でした。

 

パリ市内の名門音楽院に編入が認められたザイアとフェットマ姉妹。フェットマはチェロ奏者をめざし、ヴィオラを学んだザイアは指揮者になりたいと思っています。でもアルジェリア系で女性ということからか、オーケストラの練習で指揮をしても、生徒たちに真面目に演奏してもらえません。ある日特別授業に来た著名な指揮者チェリビダッケに気に入られ、本格的に指揮者を目指すことになります。

 

全編に散りばめられたクラシック音楽を聞いているだけで豊かな気持ちになります。

性別や人種といった偏見と戦いながら指揮者を目指す女性の物語だけれど、父と子の関係、エリートと庶民、様々な要素が詰め込まれていて考えさせられることも多々ありました。

 

ザイアはやがて自分でオーケストラを立ち上げようとするのですが、これが実話をベースにしているというのに驚きました。音楽は誰にも平等であるべきという彼女の強い意志を感じます。オーケストラの演奏者には多くの女性がいるのに、指揮者はわずか6%しかいないというのも意外でした。まだまだクラシックの世界は保守的ということなのでしょうか?そういえばクラシックの作曲家も女性は少ない気がします。

 

ベートーヴェン特集番組やクラシックTV、吾郎さんが出演した番組で、オーケストラや指揮について少し「予習」ができていたので、ザイアがチェリビダッケに指導を受けるシーンでの言葉が心に沁みました。ザイアを演じたウーラヤ・アマムラの指揮ぶりも素晴らしかったです。ただ指揮のシーンが出てくるたびに、吾郎ベートーヴェンを思い浮かべてしまったのは内緒ですw 

 

奇しくも舞台「NO.9」の上演が発表になったばかり。吾郎さんが演じるベートーヴェンについても、新たな思いで観ることができそうです。

 


シネマナビ!で印象に残った一言:

「人間ドラマとしても素晴らしいんですが、使用する楽曲がものすごくいいんです。(中略)初めて聴く曲もエモーショナルでクラシックになじみのない人でも楽しめると思います。」

 

 

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