6月7日、映画『あんのこと』が公開初日を迎えました!

新宿武蔵野館の午後の回に行ってきました。

 

初めて見た時にはストーリーを追ってしまい、消化不良に感じるようなところもあったけれど、この日は最初から最後まで映像に集中できて、主人公杏んはじめとする登場人物たちの心情が胸に突き刺さってきました。

平日にもかかわらずこの館で一番大きな箱が満席!「十三人の刺客」の時ほどではないけれど、男性の観客が多いのにも驚きました。上映後に静かに席を立つ人々の間に同じ思いが漂っているようで、見終わった後の辛さを受け止められているように感じました。


 

そして6月8日、丸の内TOEIでの公開舞台記念挨拶初回に行くことができました。

上映が終わってからの挨拶だったので、司会者の方からもネタバレありのお墨付きで、楽しいトークが繰り広げられました。以下うろ覚えですが、簡単なレポを。ネタバレしているところや記憶違いもあると思いますので、その辺はご承知おきください。

 

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最初に登壇者4人からのご挨拶。

河合さん:監督がよくおっしゅるように、映画が自分の手から離れて皆さんに観ていただける、感謝でいっぱいです。

佐藤さん:今日はふざけないのを目標に。映画の感想を始めSNSで広めていただけたらと思います。

吾郎さん:ご覧になってどしんとした雰囲気ですね、気持ちわかります。作品が完成して皆様にお届けできて幸せな気持ちでいっぱいです。

入江監督:稲垣さんがおっしゃったようにどしんとする気持ちがあると思いますが、それが元になった記事を自分が読んだ時の気持ちだと思います、色々感想を聞かせてくださると嬉しいです。

 

完成記念上映会の時の話題が出た後で、佐藤さん、吾郎さんの役作りについて司会者から質問がありました。

佐藤さんの演じた多田羅は複雑な役なので、公開まではどんな役かと聞かれてはっきり言えないのが苦しかったそうです。多田羅はグレイな役で、黒か白か3人で話したことがあり結論は出なかったけれど、杏を救う気持ちは真剣だったと思うとおっしゃっていました。

吾郎さんの演じた桐生も、杏への思いとジャーナリストとしての役割の狭間で苦しかったと。フラットだけど、目の奥に感情が現れているのが凄かったと佐藤さんに言われ、観る方が最初はこの役に感情移入すると思うので気を付けて演じたとおっしゃっていました。桐生のモデルになった記者さんもフラットな感じで、雰囲気が吾郎さんに似ていると監督や河合さん。中華料理屋のシーン撮影時に来てくださっていて、河合さんと佐藤さんはお会いしたが、吾郎さんは撮影中で会えなかったとのこと。

 

実在の人物をモデルにしたことについて、監督は最終的には主人公杏の物語にしたいと思い、撮影したけれど使わなかったシーンもあるとおっしゃっていました。桐生の取り調べシーン、多田羅が拘置所から出るシーンなどを撮影していたそうで、芥川龍之介作の「羅生門」のように、三者三様の見え方があるという脚本だったが、杏にフォーカスすることでかなりすっきりした仕上がりになったそうです。

 

佐藤さんから観客とのQAはないのかという意見が出て、急遽質問を募ることに。指名された男性を「僕の高校の先生に似てる」と佐藤さんがすかさず笑いを誘います。コロナになって急に多田羅や桐生とのつながりがなくなってしまったが、電話やメールはできたと思うし、杏があんなことにならずに済んだのではないかという質問に、難しい質問が来ちゃったと困惑する登壇者一同。確かにそういう気持ちもあったが、当時は直接会うだけでなく連絡を取ることすらためらわれた、心が違っていたという話になりました。

 

そして司会者の方からカラオケで桐生と多田羅が歌う曲についての質問が。

選曲は監督がされたそうですが、佐藤さんがその理由を言うと、監督に「全然違います」と全否定されてしまいました。吾郎さんは、監督が好きな曲と答えて正解。稲垣吾郎が人生で歌っていない曲にしたという監督に吾郎さんが正解!と返していました。佐藤さんの歌うランナウェイは、監督によると雰囲気を明るくするための選曲で、歌いだしが微妙にずれているのがいいとおっしゃっていました。

吾郎さんがキーをわざと外して歌っているので、普段こうだと思われたら嫌だなというと、皆分かってますと拍手が起きました。

 

最後に河合さん、入江監督がコメントを求められましたが、監督はこれからあちこちで挨拶するのでと二朗さん吾郎さんと二人に振ってくれました。二朗さんが「吾郎ちゃん」というと「歌うんですか」と返す吾郎さんw 結局吾郎さんが上手くまとめて、二朗さんが吾郎ちゃんの言う通りと太鼓判を押してくれました。こういう時の吾郎さんのまとめる力にいつも感心してしまいます。

 

心にずしんと響く思い作品を観た直後、登壇者の方々の楽しいお話に癒されました。

 

 

マスコミが入った2回目の舞台挨拶は見られませんでしたが、やはり楽しい挨拶だった様子。こちらで完全レポートを上げてくださっています→

河合優実×佐藤二朗×稲垣吾郎が「生きている!」と感じる瞬間とは?映画『あんのこと』公開記念舞台挨拶【完全レポート】 – NB Press Online