✤オープニング

♪ Last Night / Morgan Wallen

     今年ぶっちぎりではまったものという話題で始まったレコードショップ、吾郎店長は手羽元の海水焼き、吉田さんはレンコンチップスと食べ物ばかりwでもレコードショップなので、アメリカでぶっちりぎで大ヒットしたという曲でオープンです。

 

この日はハスキーボイスの吉田さん、暖房で喉を傷めてしまったそうです、お大事に。今日はハスキー明世で店頭に立つとのこと。メッセージ読みを代わってあげたり、吾郎店長の気遣いが素敵でした。

 

✤Today’s Music Recommended

「日本の文学とロック・ポップス」が今日のテーマ、スペシャルバイヤーとして音楽ライターの北爪啓之さんに、具体的に作家や作品の影響を受けているアーティストや、小説などが歌詞に引用されている作品を中心に解説いただきました。時代の流れと共に文学の影響を辿ります。

 

♪ 夏なんです / はっぴいえんど

まず70年代で外せないのは、はっぴいえんど。1970年リリースのファーストアルバムに多くの文学者の名前があげられていて、文学と関係が色濃いバンドとのこと。

70年時代は、フォークシンガーが有名な詩に曲を付けて歌うことも多かったそうで、友川カズキが中原中也の詩に曲をつけたアルバムを天井桟敷のプロデュースで出したりしているとのこと。吾郎店長は、友川さんに会ったことがあるそうでかっこいい大人の男色気むんむんの方だとおっしゃっていました。他に70年代の特徴としては、異端文学や幻想小説の影響を受けたアーティストが登場したことで、例えばあがた森魚が稲垣足穂の影響を受けていたり、佐井良子が夢野久作『ドグラマグラ』をもとにした曲を作ったりしているそう。

 

♪ 風立ちぬ / 松田聖子

80年代で顕著な動きは、はっぴいえんどの松本隆がプロ作詞家になって、メジャーシーンに文学の影響を持ち込んだことで、その代表曲。稲垣足穂の「一千一秒物語」や、南佳孝が海野十三の作品からとった歌などもあるそうです。

 

♪ 陰獣 / 人間椅子

80年代はインディーズにも日本文学の影響を感じさせるアーティストが多かったそうで、例えばゲルニカのバンドメンバー太田蛍一による小栗虫太郎の「人外魔境」をモチーフにしたアルバムや、戸川純が沼正三の「家畜人ヤプー」をモチーフにしたバンドYAPOOSを結成したりしたそうです。異端文学の流れを受けた人が多かったとのことで、その後江戸川乱歩の影響を受けた筋肉少女帯や、人間椅子というバンドも登場。

 

♪ 相合傘 / かせきさいだあ

90年代は、はっぴぃえんどチルドレンが登場した時代で、サニーデイサービス、かせきさいだあ、小沢健二などがあげられるそうです。その中から、はっぴぃえんどの曲と同題名なのに加えて、他の文学者の影響もあるかせきさいだあの曲。

この時代は、辻仁成や町田康などロックミュージシャンの作家活動も特徴的とのこと。

 

♪ 月に吠える / ヨルシカ

2000年代は多様化の時代、現代作家とのコラボや、作家の朗読と共にライブをするといった活動が始まっていったそうです。今一番注目を浴びているYOASOBIは、元々小説を音楽化するユニットとして結成されているそうです。江崎文武さんが谷崎潤一郎の『陰影礼賛』をテーマにしたり、アンビエントシーンで、夏目漱石にインスパイヤされた『夢十夜』という曲もあるとのこと。その中から文学の引用を多くやっているヨルシカの萩原朔太郎の詩からタイトルを取った曲。

 

「面白かったけれど、情報量が…これ3回ぐらい聞き直したいよね」と吾郎店長がおっしゃっていた通り、流れるような北爪さんの解説に圧倒されました。紹介していただいた曲たちを、文学作品と合わせてじっくり味わってみたいです。

 

♪ 君の居場所(Have a Good Time Here)/ 竹内まりや

  この日解禁になった新曲で4時台スタート。

 

✤ お出かけトラッド

 横浜市の三渓園をご紹介。明治から昭和にかけて活躍した実業家原三渓の邸宅だった場所で、国の名勝に指定されており見所がたくさんあるそうです。ドライブソングは秋をテーマにした最新アルバムより→

♪ Amazing / Ed Sheeran

 

Entertainment Map

俳優の上野樹里さんがご来店。吾郎店長とは「のだめカンタービレ」の時代のビストロスマップ以来だそうで、その時は意見が割れてじゃんけんで勝者を決めたとおっしゃっていました。

上野さんの最新主演作『隣人X 疑惑の彼女』が今週公開予定。鑑賞済みの吾郎店長は、ネタバレ注意しないと言いつつ、混とんとした時代の中で相手を見つめていくことの大切さに気付かされたとコメントされていました。上野さんが出演を決めたのは、コロナ禍で頂いたお話で「隣人X」というワードが斬新でしっくりきたことと、20才の頃にお世話になった監督だったことからだそう。役作りについては、脚本を練り上げるのに1年半ぐらいかかったので、徐々に個性が見えてきたとのこと。滋賀県で1か月撮影だったので、ウィークリィマンションで生活したそう。映画で体感してもらうのが一番いいと思う、自分の持っていた概念が違うのではと気づかせてくれる作品とのことでした。

♪ キラースポット / Chillspot

『隣人X 疑惑の彼女』の主題歌

 

音楽について伺うと、上野さんが初めて買ったCDがトライセラトップスの『IF』だったそうで、それが和田さんに伝わってライブのお誘いがあったりしたとのこと。後はお姉さんたちの聞いていたジュリマリやChara、Speedなどを聞いていたそう。東京に出てからはBackstreet Boysなど王道の洋楽をたくさん聞いていたそうです。『スイングガールズ』をやった時に、ジャズやブルース、ソウルの音楽をたくさんレンタルして聴いたそうです。最近もご主人がジャズを書けることが多くて、知っている曲が聞こえてきたりするとのこと。

 

♪ Now and Then / The Beatles

上野さんセレクト、MVを見て涙したという曲

 

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