前回のお話






-N side-







「ねぇねぇ、ニノ。今日来たにんじん、しょうちゃんに内緒なの?しょうちゃんにも教えてあげようよ」


「翔さんには内緒なの」


「なんで?」


「なんでも」


「でも・・・・しょうちゃんには・・・・・」


「グダグダ言ってると使わせないよ?」




そんなこの世の終わりみたいな顔すんなよ。
翔さんに秘密の1つぐらいいいだろ。
しかもにんじんの玩具なんて可愛いもんだぞ。




「じゃぁさ・・・・せめて潤くんには教えてあげよ?」


「なんで?!」




そう来る?!
すげーとこ攻めてくんな




「だって可哀想じゃん。思いっきり箱のこと気にしてたよ。」




こんな玩具買いましたなんて初対面の奴にバレたらドン引きされるのが落ちだぞ。
しかも猫のやつ飼い主に言うだろ、そしたら翔さんの耳にも必ず入る。
俺がヘソクリ貯めてた事もバレるし絶対にんじんも没収だ。




俺の夢が打ち砕かれる!!




「だめ!!絶対ダメ!!」


「なんで?」




不思議そうに首を傾げる小さな頭を引き寄せ口付けると
兎は嬉しそうに鼻を擦るつけてくる。




「2人だけの秘密」


「2人?」


「そう。これは昼間のお楽しみ。2人だけで使うの」


「・・・・・しょうちゃんは?」


「・・・だから翔さんは玩具嫌いだから」


「え?そうなの?」


「自分のブチ込みたい派だから」


「・・・・あっそっか!そうかも、しょうちゃんゴムも付けてくれないし」


「はぁ?!うそ?!ゴム付けないの?!」


「うん。つけない」


「マジかよ!!翔さん!!」



なんだよ!!雅紀とする時は絶対付けてるって
だからおまえも絶対付けろって付けなかったら殺すとか恐ろしいこと言っといて
自分は散々かよ!
飼い主だからって嘘ついていわけ?!



「兎・・・・翔さんとの時、付けた事ないの?」


「うん。なーい。終わった後はお腹壊さないようにって綺麗に洗ってくれるよ」


「マジかよ・・・・・」


「でも、また気持ちよくなっちゃってはじまっちゃうんだけどね」


「そんな赤裸々告白いらねーから」




俺だって今まで生でしたいのに我慢して我慢してさ、あーマジか、うーマジか
ぜってーおもちゃ使わせない!!
これだけは譲らない!!



「兎・・・・しよ」


「え?!なに?!」


「Hしよ」


「は?!今?!」


「そう今」


「じゅんくん来てるでしょ!!」


「いいじゃん別に声出さなきゃバレねーだろ」


「無理だよ!!」


「なんで?」


「声出ちゃうもん」


「我慢しろよ」


「無理!!ニノ意地悪ばっかりするし無理!!」


「意地悪なんかしてねーだろ」


「する!やだって言うところばっかしてくる」


「おまえの「やだ」は「いい」ってことなの」


「違う!」


「の割には、やだやだ言いながらイってんじゃん」


「・・・・・・・ちがう」


「つべこべいってねーで。寝ろ」


「はぁ?だから無理だってば!!エロ犬!!」


「俺の腕噛んでていいよ」


「ニノ・・・・・待って・・・・・」


「ほら・・・・・」



左右に首を振る兎を後ろから抱き締め
ポテポテと柔らかい唇にゆっくり腕を押し当てた。




「声出そうになったら噛んでいいよ」


「ニノ・・・・本当に?するの・・・・?」


「本当。しよ。生で」



兎を目の前にしたら俺の理性なんて無いのと同じ。
大事なお客様が来てると言うのに



「ニノ待って・・・・・」


「やだ」


「だって・・・じゅんくんが・・・・」


「俺も無理。待てない」




お預けも出来ない手に負えない犬




「ニノ・・・・・・」


「もう無理だから黙れよ」




飼い主様への反抗心を抱きながらリビングを気にする兎を無視して
俺は後退りしようとする細い腰を逃げないように抱き締めた。





image