冷蔵庫を開け、ビールを取る
プルタブを開けると、プシュッと小気味いい音をたてた
グイッと流し込めば、今日までの82日間の撮影期間が
走馬灯のように・・・
「終わってしまえば、あっという間だったな」
初めての月9と呼ばれる枠
しかも、主役
感じるプレッシャーはハンパなかった
その中で、まるで実の家族のように接してくれていた
俳優たちとの別れを
本当に惜しんで帰って来た
何気なくスマホを手に取れば、通知が来ていた
通知内容も確認せず開く
『ドラマ撮影おつかれさま
今日までだったよな
最終回
放送楽しみにしているよ
当日はまともに見られないから
録画になるけど
俺やニノがニット帽の男説が出ているみたいだけど
おもしろいよな、全然違うのに
で、
結局
雅紀がストーカーなんだろ?』
「んな訳ないじゃん」
と悪態はつくけど
笑みがこぼれる
笑み、というか多分ニヤけているはずだ
誰が見ている訳でもないけど
急に恥ずかしくなって、慌てて手にしているビールを飲み干した
知っていてくれたいたことが、とにかくとにかく嬉しくて
このメールを打っているときは、俺のことを考えていてくれたってことで・・・
「しょーちゃん、ありがとう
ダイスキだよ
・・・てか、愛してる」
絶対に他人には、ましてや本人には云えないけど
独りつぶやいて
『翔ちゃん、おつかれさま
ありがとうね・・・ 』
で始まる、ありきたりな返信を打つべく
スマホに向かった