Yes No 25 | 櫻と葉っぱの物語❤

櫻と葉っぱの物語❤

櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

櫻葉❤

 

 

 

 

ご理解ある方のみおすすみください☆

 

はじめましての方へ→ こちらへ

 

 

 

 

 

 

 

 

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Side S

 

 

 

 

 

 

 

 

真夏のもうすぐお昼になる時間。

 

雅紀の家の最寄り駅で待ち合わせて俺は、

 

はじめて雅紀の地元に来た。

 

 

「おじゃましまーす」

 

 

玄関に入ると一応そう言って声をかけるが、

 

雅紀の両親はどちらも仕事でいないことはしている。

 

 

「どーぞ」

 

「おぅ」

 

 

夕方の5時を回るころに母親が帰ってくると聞いているから

 

それまでは二人きりだ。

 

なぜかそんなことを改めて思ってまた、俺の中のどっかがトクトクした。

 

 

持たされた手土産を渡して、簡単な一泊セットを雅紀の部屋に置かせてもらうと

 

昼飯は雅紀が焼きそばを作るという。

 

 

「すげーな」

 

「ただの焼きそばだよ?」

 

「俺はつくれねぇ」

 

 

野菜とお肉を切って焼いて混ぜればいいだけだよと笑う雅紀に、

 

本気ですごいと思って自分が恥ずかしくなる。

 

 

キッチンのテーブルに腰かけると

 

エプロンをせずに料理をしだした雅紀の後ろ姿を見つめる。

 

 

「ゲームしてていいのに」

 

「いいよ。別に」

 

 

出してもらった麦茶をゴクリと飲んで、

 

 

「手伝えなくてわりぃ」

 

 

ぼそりと言った。

 

ぶっちゃけ、俺はいままで料理なんてしたことはなくて、

 

包丁なんて持ったことがない。

 

 

「カレーは?」

 

「え?」

 

「カレーも作れない?」

 

 

返事に詰まる俺に、雅紀は決して嫌味なく笑った。

 

 

「なんかかっこいいね」

 

「は?どこがだよ」

 

 

カッコいいのは雅紀の方だ。

 

 

「ザ・男って感じ」

 

「バカ言うな。今どきは料理できる男の方がモテんだぞ」

 

「え~そうなの?」

 

 

器用に手を動かしながら話す雅紀の背中を見つめながら、

 

初めて会った日に開いてた雅紀の英語の参考書を思い出す。

 

 

雅紀に気づかれないくらいの小さなため息をつく。

 

 

すべてが雅紀の方がオトナだ、、、と思った。