櫻葉❤
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Side M
オレがこっちに来たばかりのころ、
しょうちゃんは、
自分が悩んでいるのを知っていて何も言わなかったオレを知って、
ムカつくと言って可愛く唇を尖らせると文句を言った。
『言ってくれればあんな酷いこと、、、』
しなくて済んだ、、、と続くのかな、、、と思った。
そして、それでは困ったのだと言えないオレは、しょうちゃんに微笑む。
『オレはオレなりに必死だったんだよ。
しょうちゃんを誰かにとられちゃったらどうしようって』
『意味わかんねぇし。それにとられるわけない。
俺はずっと雅紀だけしか見えてなかった』
しょうちゃんの目はいつだって真っすぐだ。
本当に本気で言ってることくらいわかる。
でも、、、
でもねしょうちゃん、、、
しょうちゃんの知らないしょうちゃんがいる。
本当はもっとたくさんのヒトたちに囲まれて
笑って
そういう、、、わかりやすい幸せの真ん中に居るような
そんな未来がある男の子だった。
それを、、、
オレが汚した、、、、、
「雅紀」
「っ、、ん?」
頭ん中でそんなことが浮かんで、
知らず知らずのうちにその世界に漂いはじめると
どうしてだかしょうちゃんはオレの名前を呼ぶ。
そうやってこちらの世界にオレを引き戻して
目の前のしょうちゃんを思い出させてくれる。