櫻葉❤
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Side M
でも俺はそれが守られなくって良いと思う。
だって、しょうちゃんはあのセリフを本気で言ってくれているのがわかるし、
きっともう、ここから
ピアノを弾く以外の全てのしょうちゃんはもう、オレのモノだから。
自由のないしょうちゃんの
そのくらいの自由はあげたっていい。
オレを置いて行ってしまうことを、その時間だけは手を離してあげる。
大好きだから。
ずっとそばに居たいから。
そこには愛が、、、
オレなりの愛があるから。
ピアノを弾き終わったしょうちゃんはこっちを向くと
真っすぐにオレを見つめる。
「俺の知らない雅紀をもっと教えて」
「、、、え?」
ズキリとまた、オレのどこかが音を立てる。
「俺、どんな雅紀もぜってぇ好きだから。
好きしか、、、もう残ってねぇから」
どこか揺れてる真っすぐなしょちゃんの目は、やっぱりキレイだ。
しょうちゃんはどうしてそんなことを言うのだろう。
オレの全身に流れる、
絶対にしょうちゃんには知られてはいけない、何かを察して
そんなことを言ってるのかもしれない。
どんなオレでも、、、好きでいるなんて、、、
しょうちゃん、、、
そんなこと、ムリだよ。
それはあり得ない。
絶対に出来っこない。
しょうちゃんのその言葉は哀しかった。
嬉しいのに、、、哀しい。
だから笑う。
曖昧な返事をしてしょうちゃんに微笑む。
するとしょうちゃんはオレをぎゅうっと抱きしめてくれるから、
笑いながら目を閉じる。
、、、ごめんねしょうちゃん
好きなの、、、
大好きなんだよ、、、、、
本当のことは伝えられなくてもいいと思う。
だって伝えてしまったら
しょうちゃんが離れていってしまうから。