櫻葉❤
（大宮）
ご理解ある方のみおすすみください☆
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Ｓｉｄｅ S
「ニノ、、、」
声を出したのは智だけだったけれど
意外だって顔をしたのは智だけじゃなかった。
「智と離れていいのか？」
「へーきだよ」
ニノは手元のゲームの画面から視線を外すことなく
サラリと答える。
まさか
ニノがここに残るなんて言い出すとは思わなくて
困惑した。
「、、、悪いけど
雅紀と二人にして欲しい」
「イヤだ」
「なんでだよ」
「何ででも」
ニノは一瞬だけこちらを向いて強い視線を絡めると
ゲームの画面へ視線を移す。
「、、、お前は智と一緒といたいだろ」
「そうだよ。
でも俺は雅紀ともいたい」
「、、、」
「潤とも翔ちゃんとも
みんなでいたい」
「、、、だから戻ってくればいいだろ」
「戻ってきたら二人が消えちゃってたらイヤだ」
「、、、」
誰もが避けた
確信をつく言葉を
ニノはあっさりきっぱり
言った。
「ニノ」
智が笑みを浮かべながら
ニノの肩をさするようにして触る。
潤はふっと笑ったのが見えた。
、、、できるなら。
ニノを巻き込みたくはない。
俺たちのことに
もう誰かを巻き込むなんて、、、
「わかったよ。
好きにしろ」
そう言うしかない。
いま、この場面では。
自分の声が
やたら低く響いて、
自分で自分にザワっとした。
ーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・
桜の木の下。
手を繋いで二人でその木を見上げる。
「なぁ雅紀」
サラサラと吹く風が
とても気持ちがいい。
「雅紀にお願いがある」
「なぁに？しょうちゃん」
雅紀の方に身体を向けて
手のひらで雅紀の頬を包めば
雅紀は瞼を閉じた。
細い腰に両手を回すと
昨日、ベッドの中でしたように
おでこを合わせて
自分も瞼を閉じる。
雅紀も俺の背中に両腕を回した。
繋がる額があったかい、、、
「・・・・・・・ーー・・して欲しい」
「、、、うん。わかった」
「ありがと」
おでこを離すと
雅紀の綺麗な瞳がキラキラ輝く。
始めたのは俺。
だから
、、、終わらせるのも
俺だ。