櫻葉❤
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Ｓｉｄｅ S
どこか切羽詰まったような
苦しそうな顔をする相葉くんを見上げながら
「えっちはダメでキスはいいの？」
わざと茶化すように言って
サラリとする前髪を横に流せば
形のいい額が見えた。
智くんに話して
相葉くんからキスをしてくれたことで
少し落ち着いた気がする。
なんで、しばらくしたくない、、、なんて言ったのか。
いったい何が
相葉くんにそう言わせたのか。
本当は気になって仕方がない。
でも、、、
気になるなら聞けばいい。
そして、、、
「言いたくないなら言わなくていいよ」
ちっさい頭を引き寄せて
その額にちゅっとした。
今日。
この家に戻ってくれば
この家はもう明かりがついていて
リビングのドアを開ければ
そこには相葉くんがいた。
風呂には一緒に入れなくても
夕飯は一緒に食べて
それは多少のぎこちなさはあっても
いつもと同じく楽しい時間だった。
、、、だから。
たとえばその理由を教えてもらえなかったとしても
この家に戻ってきて
そこに相葉くんがいてくれるなら。
もうそれでいい。
いま
目の前で見上げてるその男に触れているのは
間違いない現実だから。
「しょうちゃん、、、」
胸元辺りに頭をうずめる相葉くんに
目を閉じて身体をぎゅっとした。
ぶっちゃけ、、、
昨日はシてないし
今日はキスもほとんどしてないから。
、、、この体勢はけっこうキツいんですけど。
それでも。
しばらくはしたくないと言われて
その理由がわからないいま、
相葉くんを襲う気分にはならない。
忍耐力を鍛えるいい機会だと思おうと
頭の中で決意する。
「、、、仕事してる以外の全部の時間
頭ん中がしょうちゃんの裸ばっか」
「へ？」
突然、言われて変な返事になった。
「しょうちゃんのこと、好きすぎる」
「、、、、、
もしかして」
えっちしたくないのは
それが理由ですか、、、？？？
「しょうちゃんのことばかり考えて
身体がおかしい」
「、、、それは」
相葉くんの髪を撫でながら
ちゅっとする。
「それはちっともおかしくはないのでは？」