なにも思い残すことはないーー
あの日、、、
翔ちゃんとまぁくんは
そう言って。
ーーじゃあ
一緒に
人間になろーー
向かい合って微笑む二人は
その姿はあまりに綺麗で、、、
こんな景色を見てしまったら、、、
俺はもう何も言えなくなってしまう。
俺と、、、
智と潤と。
俺たちが見てる前で
彼らは
微笑みながら
涙を流す。
「、、、」
もう、、、
何も言えない。
出来ることはない。
こんな二人を見てしまったら。
互いが流す涙が
ひとつの粒になって
それはいままでに見たことのない色の
いままでには見たことのない、、、
知っているようで
初めて見る形をしてた。
小さなその涙の欠片を
互いに口に運んで舌に乗せると
ーーしょうちゃんーー
ーー雅紀ーー
ーーーまた必ず会おうーーー
唇を重ねて
互いに絡めて
溶けて混ざり合ったその粒は液体になって
やがて二人を飲み込む。
ーーきっとわかるよーー
ーーおれたちはーー
ーーだって
繋がってるからーー
きっと、、、、、
ーーー・・・・・・・・・・・・・・・
人間界に。
ほとんど同時にあっちに行ったとしても。
また、出会えるとは限らない。
さすがに最高神までいった二人は
確実に人間にはなれるだろうけれど。
地球は
けっして広くはない。
けれど人間にとっては狭くもない。
なぜなら、ヒトは翼を持っていなく、
その一生はとても短いから。
その一生で出会える人は限られる。
いられる場所も。
、、、だから。
「ねぇ、、、会えるかな」
「、、、カズ」
、、、智は悪魔だ。
嘘を真実に変えられる。
だから、、、言って欲しい。
きっと会えるって。
あの二人なら、、、奇跡を起こせるんだって。
「、、、とりあえず服を脱ごうか」
「、、、」
ドクンと身体が鳴る。
二人がいなくて悲しいけれど
こんなときでも俺のぜんぶは智を求めてる。
「今日は手加減しないで」
「ww そんなこと言っちゃってへーきなの？」
「ん、、、そうして」
俺は智の首に腕を回して唇を塞ぐ。
すぐに口を開けて舌を出せば
智もそれに応えてくれた。
「、、、それじゃあ」
「、、、」
「俺だけを見ててね」
「、、、うん」
、、、、、それからの2日間。
智は俺がお願いした通り
いままでにないくらいに容赦ない抱き方で
俺は頭のてっぺんから足のつま先まで
それはもうすべてが
智のことだけでいっぱいになれた。