本来なら俺が着るはずの
ヒカリの世界の象徴の真っ白いその服は
雅紀に本当によく似合っている。
俺なんかよりもずっと似合っていると、、、
いまも思っている。
「俺はお前に会いたい」
「オレだって会いたい、、、ううん、
オレの方がしょうちゃんに会いたいよ」
「ww」
ぎゅっと
俺の手のひらを握る雅紀を抱きしめたいと思った。
俺はゆっくりその手のひらをほどくと
中途半端に脱いでいたその服を完全に脱いだ。
雅紀が手伝ってくれた。
すると身体は随分と楽になって、
そのまま裸の上半身を
ベッドのヘッドボードに預けた。
智と潤は互いに椅子を二つずつ用意して
潤はそのひとつに雅紀を座らせ、
「カズもこっちにおいで」
少し離れたところにいたカズを
智が優しく呼んだ。
うつむき加減のカズは何も言わずに
ゆっくりこちらに歩いてくる。
「ごめんね翔ちゃん。まぁくんも。
俺、、、何もできなかった」
「そんなことはない。
いつだってお前は俺たちを助けてたよ」
わかりやすく
人前で落ち込むカズは珍しい。
グレーの翼の堕天使は
きっと本当は
いままでにも何度も辛い気持ちになってきたはずだ。
それでもカズは
俺たちの前では笑ってた。
いつだって、、、
それは天使の、、、
本当の天使の笑顔だった。
「オレも。
カズがいてくれてよかったって何度も思った」
「まぁくん、、、」
「ほら、カズも座って」
智がカズを座らせるのを待って、
俺は
相変わらず手を離さない雅紀に顔を向けた。
「、、、オレが怖がったから」
「ん？」
「オレがこっちに来るのを怖がったから
しょうちゃんを苦しめることになっちゃった」
「それは違う」
「違わないよ」
「雅紀。そうじゃないんだよ」
俺が白い世界。
雅紀は黒い世界。
ヒカリの世界の象徴である俺は
誰をも愛する存在でなければいけない。
たった一人を愛してはいけない。
たった一人にだけ
特別な感情を持ち合わせるなど
あってはならない。
神は。
すべてを平等に愛している。
それが
神なのだから。
雅紀の頬に
繋いでいない方の手のひらで触れると
それはふわりと柔らかい。
「俺だよ。
俺が、、、お前といたかった。
どうしても」
雅紀と離れては
俺が無理なんだ。
「俺はお前を
自分のそばに置いておきたかった。
お前に触れたいんだよ。
抱き合って
キスして
そうして、、、
お前に触りたい。
だから、、、
失格なのは俺」
「、、、しょうちゃん」