いままで聞いたことのないその声は、、、
「、、、潤」
初めて聞いた
潤の、、、そんな声。
「混乱するのはわかる。
でも、、、落ち着きなさい」
それは完璧な
大天使様の声。
愛とヒカリが
潤を包み込んでいるのがわかる。
「、、、っ」
勝手に頬に
よくわからない種類の涙が流れれば
「、、、しょうちゃん」
その涙を
しょうちゃんの指が拭き取って
「泣くな雅紀」
しょうちゃんの
オレを呼ぶ声が身体中に響いた。
それは、、、
それこそが神の声。
オレじゃない。
オレには、、、なれない。
優しくて強い光のようなモノが
見えない何かが
確実にしょうちゃんを包んでる。
やっぱり、、、
しょうちゃんが神だ、、、
「一人じゃなかったって、、、」
「そうだよ。俺たちはずっと
一人になんてなったことはないんだ」
「、、、なに、、、言ってるのしょうちゃん」
苦しそうなのに
とても美しいその神は
相変わらず
優しくオレの髪を撫でる。
オレは思わずその手を取って
その甲に唇を押し付ける。
、、、しょうちゃんを誰にも、、、
触らせたくなんかないのに、、、
「お前たちは一人じゃない」
言葉を発したのは潤だった。
「言っただろう。
お前たちが誕生したと同時に
俺たちはずっと
お前たちを見守ると決めた」
少し離れた場所にいる
潤と智が
ゆっくりとこちらに歩み寄る。
「白い世界は天使が。
黒い世界は悪魔が。
そして、、、
時にはその両方を行き来するものもいた」
唇を離して
その手を握る。
「俺は黒い世界の方が気楽だしやりやすいから
こっちにいることが多かったけど
雅紀ちゃんのことだって
いつだって忘れてなんていなかったよ」
怒鳴り散らしたオレに
智はいつもと変わらない笑みを見せた。
「ずっと、、、そばにいたよ。
お前も翔も。
一人じゃなかったし
いまだって一人じゃない」
「俺たちは神に手出しは出来ないけれど
そばにいて見守ることくらいは出来たから」
「お前のそばにもいただろう？」
「、、、カズのこと？」
言えば
潤も智もほほ笑んだ。