櫻葉❤
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Ｓｉｄｅ S
【男同士は結婚できない】
櫻井翔 ５歳。七夕。
突如、知った現実。
あのときの衝撃を
俺はきっと一生忘れない、、、
ーー・・・・・・・・・・・・
生まれ年は一緒なのに
俺が早生まれのせいで
俺たちはいつだって学年がひとつ違う。
その年の春。
年少クラスに雅紀がやってくることを
俺はとても嬉しく思っていた。
【しょうちゃん遊ぼ！】
入園日の翌日。
自由時間に雅紀は俺のクラスにやってきた。
それから毎日、雅紀は俺のクラスにやってきて
毎日一緒に遊んだ。
自由時間になるたび俺のところにやってくる雅紀。
クラスの違う俺のところにやってくる雅紀を
先生たちはむしろ評価してくれていた。
【雅紀くんはお友達がたくさんいるね】
クラスの隔てなく
雅紀がたくさんのお友達がいるって。
優しい男の子だってみんなが言ってた。
【雅紀くんは翔くんが大好きだね】
【うん！しょうちゃん大好き！】
先生と雅紀のするその会話を
俺はなぜかすっごく誇らしげに見つめている、、、
そんなませガキだった。
【雅紀くん翔くんとばっか遊ばないで】
雅紀がいるってだけで毎日が楽しくて、
時間はあっという間に過ぎていく。
その日は夏真っ盛りで
熱すぎて外では遊べなかった。
だから
いつものように俺のクラスにやってきた雅紀と
折り紙を切ったり貼ったりして遊んでた。
【、、、え？】
【私たちだって遊びたいんだから】
突然、俺のクラスの女の子たちが集まってきて
雅紀と俺を囲むようにして
言った。
【、、、じゃあみんなで遊ぼうよ】
【ダメ！ここは雅紀くんのクラスじゃないでしょ】
【、、、、、】
雅紀は黙り込んでしまった。
気まずい空気。
幼稚園児にだってそんなことはわかる。
、、、どうしよう、、、
【雅紀、雅紀のクラスで遊ぼ】
俺は雅紀の手を引いて立ち上がった。
【だめっ！翔くんは私たちと遊ぶの】
【いまは雅紀と遊ぶ】
【え～】
【ほら雅紀。向こうでやろ】
あのとき。
雅紀の手をひいて
自分のクラスを出たとき。
雅紀を守りたいと思った。
何かあったら
俺が雅紀を守ろうって。
ずっとずっとそうしようって、、、
雅紀の手をぎゅっと握った。
櫻井翔
弱冠４歳の夏だった。
、、、今日中に、、、終わるだろうか、、、(;^ω^)