神に仕えるもの。
神ってのは神様はもちろん。
死神様も同じく。
どちらの世界にも中立でいなきゃいけない。
「、、、俺たちってなんなんだろーね、、、」
「？どういう意味？」
、、、中立でいるってのは都合の良い言い方だ。
ようは、、、
なんも出来ずにただ見守ってるだけ。
この天界で
場合によっては人間界や冥界で
俺たちは実際に見たこと、この耳で聞いたことを
定期的に潤に伝える。
そして潤は
年に4回あるトップが集まるその集会で
その情報をただ伝える。
神界のトップ、
死神界のトップ、
天使界のトップ、
そして
悪魔界のトップ。
それぞれが顔を合わせてするその集会は
バランスを保つためにある。
天界のバランス。
そして
下界とのバランス。
無駄に争わないため。
均等な世界を保つため。
バランスを崩さないためにする神事の決定は
神様と死神様の仕事。
俺たちはその決定に従って
また動く。
結局
俺たちが出来る事なんて
なんもない。
「、、、潤はホントはどこまで知ってんの？」
「、、、、、さぁ。お前が言わない限り
俺は何も知らないよ」
気づいてると知っているは違う。
俺は、、、いつ言おうか。
知っていることの全てを
いつ。
伝えようか。
「、、、、、」
ああ、、、めんどう。
もう考えるの、、、や～めた。
「じゃあ俺行くね～」
「もう？来たばかりだよ？」
「ちゃんと来たんだからいいだろ？」
潤は、、、読んでた本をパタンと閉じて
「どこに行くの？」
あの、、、
迫力のある目を真っすぐにこちらに向けて言う。
、、、目力、、、やっぱすげーよな、、、
「、、、べつに」
「俺に言えない所？」
「、、、、、」
、、、きっと潤はもう気づいてる。
言わないだけで、、、
きっと。
「、、、じゃあね」
「カズ」
ベットから起き上がる俺の腕を掴んだ。
「俺はお前を特別気に入っている」
「、、、」
「お前は頭がいいんだ。バカなこと考えるなよ」
、、、バカなこと、、、
バカなこと、、、だよな、、、
「、、、もう行く」
「、、、ちゃんと戻れよ」
「わかってるよ。俺が戻らなかったことなんてないじゃん」
潤が腕を離すのを待った。
振り払うことは出来ない。
ゆっくりその手が離れる。
潤は優しい。
やっぱ大天使様。
天使界のトップ。
「、、、ちゃんと戻るから」
「、、、わかったよ」
、、、ごめんね潤、、、
心ン中で呟いて
グレーの翼をパサリとやって
潤の部屋をあとにした。