大宮☆
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Ｓｉｄｅ O
「二宮くんって花と話せるんでしょ？」
「話せないよ」
「あれ、そうなの？」
「、、、声が聴こえるだけ」
「へぇ、、、」
初対面に近い相手なのに
そう感じないのはどうしてだろう。
初めて会ったとき。
初めて声を聴いたときから思ってた。
この男を
ずっと前から知っていた気がする。
二宮和也。
少し年下のこの彼は
なぜだか自分にとって特別な相手なんだと
わかる。
「花の声が聴こえるってどんな感じなんだろ、、、」
「、、、別に。変わんないよ。アンタたちと」
淡々と言う言葉。
最初からため口。
でも逆に飾らないそれが
心地よく心ン中に入ってくる。
彼は言葉で話さない。
彼自身が見え隠れするのは
言葉より
彼から溢れてる見えないなにか。
今日の撮影でもそうだった。
言葉は少なくても
態度で
目線で
彼の心が分かる気がする。
この
花に愛されてる男は
人と関わることが
あまり得意ではないと話してくれた。
どうしてって聞いたら
黙ってしまったけど。
その沈黙を
なんだか大切にしてあげたい気がした。
彼はきっと
とても繊細なんだってわかるから。
花に選ばれた男。
敏感で
嘘がつけない。
初めて見たときから興味があった。
もっと声を聴きたいと思った。
もっと近くで
この男を知ってみたい。
ダラダラとなんとなくモデルを続けていた自分。
このままでは彼と話せない。
彼に選んでもらえない。
そう思って
花と真正面から向き合ってる彼に
恥ずかしくない自分になって
彼と向き合おうと勝手に決めて。
今日。
ようやくこうして
会うことが出来た。
「、、、やっとだ」
「なに？」
「ww ううん、何でもない」
ずっと、、、話したかった。
触れたかった。
やっと
やっと今日を迎えられたんだ。