櫻と葉っぱの物語❤

櫻と葉っぱの物語❤

櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】


 

Side:A

 

 

それぞれ学年がいっこずつちがう、

大学で出会った僕たち3人

・・しょうちゃんは僕より学年がひとつ上で、

カズは僕より学年がひとつ下・・は、

 

サークルが同じことで知り合って、

 

そこからびっくりするくらいに

一緒にいることが当たり前になっていった。

 

 

それは、「運命」という言葉が

自分たちのためにあったのだと思うくらいに。

 

 

なかでも僕としょうちゃんは

出会ったその瞬間、

互いに静かな衝撃を受けてしまって、

 

絡んだ視線をそのままで

しばらくその場から動けなくなるほどだった。

 

 

それまで別の生徒を見ていたしょうちゃんのおっきな瞳が

まるでとらえるようにしてこちらに気づくまでの、

 

ほんのわずかな時間。

 

 

それまでとここからが

圧倒的に変わってしまう、あの瞬間を

 

僕はきっと一生、

忘れることができない。

 

 

あのとき。

 

 

あの瞬間から僕たちの物語は始まったのだから。

 

 

それは大学の食堂なんていう、

色気も華やかさもめずらしさもない場所だったけれど、

僕の・・・いや、

 

僕たちの一生を決める場所としては十分だった。

 

だって、そこにはしょうちゃんがいたのだから。

 

 

 

***

 

 

 

 

「おはようございます」

 

いつもの小さなスーパーによって、

食材を購入する。

 

もともと地元ではない、

この土地に喫茶店を開いたのはもちろん、

しょうちゃんの存在があったからだ。

 

 

大学に入りたてのころ、

とくにやりたいことなんて思いつかなくて

 

これまでの人生がすべて「流されていた」ように、

 

それが正しい道かのごとくみんなと同じく就活をして

どうにか滑りこめた会社に就職するのだと思っていた。

 

 

けれども

しょうちゃんと運命をわかちあってしまった自分は

 

気づけばいまもこの場所にいて、

予想もできなかった

喫茶店の店主なんてことを生業にしている。

 

 

青果売り場のいちごがとても美味しそうで思わず手に取ると、

頭の中に笑顔のしょうちゃんと、さらにはカズまでもが現れて、

 

思わず顔がほころぶ。

 

 

「コーヒーに合いそう」

 

 

ひとりつぶやきながら、

いちごのパックを3つ、丁寧にかごに入れた。