★2023年5月16日★

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ハルちゃんの誕生。

そして別れ。

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あの日から今日でちょうど1ヶ月が経ちました。

今日と同じようによく晴れて、少し暑さを感じる日でした。

 

 

午後15:30。

 

ヌルっとした感覚でいきむ必要など全くなく、

先生を呼びに行った助産師さんを待とうとしても止められないくらい

スルッと出てきました。

 

長男の出産と比べると本当にあっという間のことで、

ハルちゃんがまだどれだけ小さいのかということを

突き付けられた感じがしました。

 

夫が無言で私の手を握り、頭を撫でてくれました。

結婚して10年経ちますが、

泣いている姿を見たのはこの時と火葬の日だけです。

この時の彼の眼差しが今も強く記憶に残っています。

 

卵膜ごと出てきてその数分後に破水。

助産師さんが臍の緒を切ってくれて、

胎盤を出す処置を受ける間にハルちゃんの体を拭いてくれました。

 

胎盤を出す時は器具を入れて搔きまわされるような痛みがありました。

罰を受けているのだと思いました。

 

一通りの処置が終わった後、

ハルちゃんを枕元に置いてもらいました。

 

約200g。

とても小さかったけれどちゃんとした人間でした。

爪も髪もしっかりと生えていました。

顔は長男に似ていました。

本当に本当にかわいいと思いました。

そして心から申し訳ないことをしたと思いました。

 

その後、前日に選んだ産着を着せて棺に入れてもらいました。

お洋服もとても似合っていました。

 

助産師さんに抱っこするか聞かれてためらっていると、

夫が抱きたいと言いました。

出産前はこんな母親に抱かれるのは嫌だろうと思い遠慮するつもりでいましたが、

夫がハルちゃんを抱く姿を見て

抱きたいという気持ちが強くなりました。

 

ハルちゃんはこんなひどい母親に触れられるのも抱かれるのも嫌だろうけど、

もう1回だけわがままを言わせて。ごめんね。という気持ちで抱かせてもらいました。

 

とても軽くて、

すぐに壊れてしまいそうなほど繊細で、

少しだけ温かさが残っていて、

幸せを感じさせてくれました。

 

抱っこしたまま病室に家族3人だけにしてもらいました。

涙が止まりませんでした。

 

振り返ると、抱かせてもらってよかったと思います。

ハルちゃんの気持ちは分からないけど

私の方は悔いを残すことなくお別れできたし、

ハルちゃんの重さや温もりも心に刻むことができました。

 

夕方、役所に提出するための死産証書をもらいました。

羊水検査では女の子の判定でしたが、死産証書上は性別不明になりました。

そして中絶の理由は「身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するため」。

法律上そうなることを知ってはいましたが、

悪いのは育てられる決心ができなかった自分なのに

ハルちゃんが悪いような表現で申し訳なく思いました。