20年以上前

私のお腹の中の赤ちゃんが女の子だとわかった時

夫は娘に「すみれ」と名付けた

踊る大捜査線が大好きで

子供が出来たらつけたかったらしく

女の子だとわかったその日から

お腹に向かって

すみれちゃ〜ん♡と呼んでいた


「すみれちゃん行ってきます♡」

「すみれちゃんただいま〜♡」

「おーい、すみれ〜♡」


でもお腹の中の娘は

すみれちゃんには反応しなくて


結果、

産まれてから

届出ギリギリの日まで2人で悩み

違う名前になった


すみれを諦めた夫は

「なみ」と言い出した

今思えば某漫画(ワ○ピース)の

キャラだったのかもしれない

でもそんなことを知らなかった私は

冗談っぽく

「だったら7つの玉で『七珠』はどう?笑」と

子供の頃から大の某漫画(ドラゴン○ール)好きだった夫に提案した

すると目をキラキラさせて

「それだ!!そうしよう!」と言った

あれこれ話し合って

最終的に

お互いがつけたい名前を10個

紙に書き出し

同じ名前があったらそれにしよう!

となり

書き出した結果

たったひとつだけ

お互い書いていた名前があった

それは「なみ」でも「ななみ」でもなかった

でも2人で決めた

娘への2人からの最初のプレゼントになった

 

私達2人がどれほど娘が産まれてくるのを楽しみにしていたか

どれだけ大切に大事に思って育ててきたか


私は怒ることもたくさんあった

同性でもあり所作には口うるさく

娘にとっては理不尽に怒られているように

思うこともあったと思う


でも夫は娘に激甘だった

仕事で夜寝るのが遅かったのに

娘に頼まれてほぼ毎日娘を学校まで送っていた


娘と2人で行ったラーメン屋さんで娘に甘々だったことをラーメン屋さんの店員さんから聞いた


誕生日プレゼントにもらった枕を

職場の人にデレデレしながら話していたことも

手を合わせに来てくださった会社の方から聞いた


私がいないところでの娘へのエピソード

どの話も娘を大切に思っていることがわかった


反抗期も思春期も早かった娘

でも夫にはいつもベタベタしていた娘

パパっ子だった娘

相思相愛だったと思う





娘と私は先日ケンカした

普段自分の思っていることを言わない娘が

夫がいなくなってから初めて

泣きながら夫のことを話した


「私はパパが亡くなった理由はどうでもいい

パパにもう会えないこと、パパがいなくなったこと

最後にパパと話したのがいつなのかわからないことだけしかわかんない

パパのことをまだ考えたくないし考えられない」


と言われた


娘は夫がいなくなった直後

たった一度だけ

朝、探し物が見つからず登校時間に間に合わない、と気が変になる程号泣したことがあった

普段そんなことで泣くなんてなかった

まして号泣なんて


しかしそれ以降

感情の変化は何もなく

いつも通り夫が亡くなる前と何も変わらない態度でひょうひょうと過ごしていた


そんな娘から

初めて夫が亡くなってからの心の内を聞いた


私が

夫が亡くなった理由を知りたいと

コロナワクチンで亡くなったと訴えていることについて

娘は

今はそんなことは考えられないし

そんなことどうでもいい、

ママが私にワクチン打つな、とか言うことも

私には関係ない、どうでもいい、と言った

 

娘にとって

「パパがいなくなったこと」だけが事実で

それすらも今はまだ受け止められていないことを

知り

娘の心の傷の深さを思い知った


子供達には

夫の死因についてワクチンで亡くなったと思っているとしか伝えていない

ただそれすらも今は受け入れられる状態ではなかった


娘がいつか夫の最期を知りたいと思った時

その時に

頑張っていた夫の姿を話してあげたい

でもそれは

今じゃない



ごめんね


寄り添っているつもりだったけど

心の傷の深さをわかっていなかった


ワクチンについて

夫の死について

亡くなった理由

それは今は私だけが知っていればいい


いつか貴女が知りたいと思った時に

パパがどれだけ素晴らしい人だったか

パパが最期までどれだけ頑張っていたか


それを伝えられるように

私はこれからも頑張っていく


だから今は貴女がこれ以上

傷つかないよう

貴女の笑顔が心からになるよう

貴女の進む道を応援したい


幸せで明るい人生を

人のことを思いやれる人に

陽だまりにいるような暖かで穏やかな気持ちになれるような

そんな思いを自分自身も周りの人にも届けられるように


それが夫と私の願い