大学時代はなにをやりたいのか漠然とは思い描いていたが、よくわからなかった。
でも自分の手から何かを作り出すのはとても楽しかった。
今月は椅子を作ってみる。
旋盤をまわす。まわす。まわす。
できた。
次は木のおもちゃを作ってみる。
けずる。けずる。けずる。
できた。
?
なんだかよく解らないが、楽しいけどなんか充実感が無い。
高いお金出してもらって大学にはいったのに。
でも木のにおいは好き。
ふと同じ大学の建築学科を覗く。
おもしろそう。
こっちにしときゃ良かったかなあとふとよぎる。
(でも数学できなかったんだっけ。)
挫折。
それから何の気なしに、普段から建物によく目が行って、スケッチするようになった。
下手だけどちょこちょことスケッチ。
今思えばこのころやっと本当に建築に興味がわいて来ていたのかも。
でも卒業後は建築とは違う道に進んだ。
木のにおいが好き。だから
木のオルゴールをデザインしたい、つくりたい。しかけ人形でもいい。
それがその会社に入った動機。
デザイナーの卵になって木のオルゴールを作るつもりだった。
今思えば考えが甘かった。その会社にも悪い事をしたと思う。
そういった物は
実際に作るとコストがかかりすぎて商売に成らないのだ。
そのころICチップが出回り、似たものは作っていても、自分が興味ある肝心な物はその会社ではましてや木でなんて、作らなかったのである。
また、半年先のヒット商品を考えてデザインするというのがその業界では当たり前。
自分が物を形にすることでさえ、半年後、商品が当たらなければ成果にならないということを知った。
「自分は ありがとう と言われる仕事がしたい。成果が見える仕事がしたい。」
今やってることは、なんか違う。
そう思いはじめると、退職するまでに時間はかからなかった。
会社の人、当時は、すみませんでした。m(_ _)m
そうして、学校を勉強しなおす事となる。