特別支援教育とインクルーシブ教育について | ずっと笑顔で大きくなぁれ!

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2009年5月生まれ ダウン症の息子との毎日を綴ります

少し前に国連が日本政府に対して、インクルーシブ教育の権利を保障するよう勧告し、障害児を分離した特別支援教育の中止を要請したことがニュースになりました。

 

小学校から特別支援学級に在籍し、現在中学校1年のダウン症児の保護者として、ちょっと本音を呟きますね。

 

(あくまでも私見です。こんな考え方の人もいるんだなぁ~と読んでもらえたら幸いです。)

 

私はインクルーシブの理念そのものには共感するものの、特別支援学校、特別支援学級の廃止には懸念を感じています。

 

まず、前提として(私の認識では)

 

①近年、障がいのある子の就学先は保護者の希望が通るようになってきており、周辺地域では希望すれば通常学級に入学できています。ただ就学相談や学校との話し合いの場で「いろいろ言われる」ことはまだあるようですが...。

 

②ただ通常学級に入学した場合、適切な支援や合理的な配慮が受けられているかというと充分ではないのでははてなマーク感じています。

 

とはいえ、我が子は特別支援学級に所属しているので、あくまでも上記①、②は実感ではなく、見聞きした限りです。

 

次に日本の分離教育は必要悪なのか?について。

 

これは実体験として、小学校の時、通常学級から特別支援学級に転校してくる子は結構いました。

 

保護者の方は転校当初はそれ程前向きではない様子の方もいらっしゃいましたが、しばらく経つと「子どもの笑顔が増えた」「不登校や行き渋りがなくなった(または減った)」「適切な支援を受けることができ、本人に自信がついて、色々なことにチャレンジすることが出来た」という声も聞きましたし、子ども本人も「転校してきて良かった」と言っているケースを複数、見聞きしました。

 

特別支援学校、特別支援学級に追いやられ、仕方なく在籍している訳でもなく、色々見学し、考えた上で、自ら選んでいる保護者、児童・生徒もいることも知って欲しいです。

 

私自身、息子が幼稚園の年中くらいまでは小学校は通常学級へ!と考えていました。でも何度も学校公開へ足を運ぶうちに息子に合った環境は支援学級だな~と考えが変わりました。

 

通常学級でみんなと一緒に過ごすこと=インクルーシブではないはすですよね。

 

インクルーシブ教育の推進には、必ず、スペシャルニーズに対して適切な支援、合理的な配慮、周囲の理解をセットにして欲しいのです。

 

実現するためには、少人数学級にして、先生や支援員の数を増やし、特別な支援を必要とする子どもへの関わり方や教育への専門性を高めるなどなど、課題は山積みだと思うのです。

 

現在、通常学級は40人を35人学級へ5年かけて移行中ですが、35人ですら教室や先生が足りなくなるあせると頭を悩ませている自治体も多いようですよねショボーン

 

35人学級が実現したとしても、35人に先生は1人。一方、特別支援学校は3人~6人に先生1人、特別支援学級は(最大で)8人に対して先生1人ですから、比較すると差は歴然。更にプラスして支援学校、支援学級には支援員や介添員がいます。

 

通常学級のような一斉授業ではなく、個々の課題に寄り添った教育を行おうとすれば、どうしても人手がいると思います。

 

息子も通常学級の中で、よく理解できないまま、周りと同じ授業を受けるのは苦痛だろうし、時間がもったいないなぁ~と感じます。

 

息子に合った教育を受ける権利は保障してあげたいのです。

 

以上のようなことから、現状の課題の解決なしに、なし崩し的に特別支援教育を廃止し、形だけインクルーシブっぽくなることには懸念を感じています。

 

それよりも交流を増やし、お互いの理解を深め、両者のいいとこどりをしながら、段階的に真のインクルーシブ教育に近づけるように推進していくのが現実的なのではないでしょうか。

 

むしろ特別支援教育が分離され、排除された教育という文脈で語られることを悲しく感じました。

 

息子の通った小学校は元々交流は多い方でもないところに、1/3の期間はコロナ禍だったこともあり、確かに通常学級の子どもと共に過ごす時間は短かったかもしれません。

 

それでも卒業アルバムや記念のDVDを観ながら、通常学級の子のことも、この子はクラブが一緒、この子は委員会が一緒、修学旅行の班や部屋が一緒だった、運動会で近くで踊った、と教えてくれ、道で知っている子に会えば挨拶もします。

 

支援学級の先生やお友達が大好きで、小学校、楽しかった~音譜という笑顔を見ると、排除されたという想いはありません。

 

将来的には通常学級・特別支援学級・特別支援学校、どこを選んでも、個々のニーズにあった適切な支援が受けられることが理想だとは思いますが、保護者と本人が『選べる自由』は残して欲しいと思っています。

 

 

ご訪問ありがとうございます。

 

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