置き去り犬めぐちゃん
「強制執行」 ~
「動物はモノ」という悲しい現実
 
それは、本当にあっという間の出来事だったという
 
自分で歩こうとしないめぐちゃんは
容赦なく抱きかかえられて
連れて行かれてしまったというのだ
 
きっと何が起こったのか
わけがわからなかっただろう
 
後には、唖然とするAさんご家族だけが残された
 
そして、それっきり・・・
Aさんたちは
めぐちゃんがどうなっているのかも
知ることはできないのだという
 
法の定めたこととはいえ
あまりにも非情で、悲しい結末に言葉もない。
 
*記事から抜粋 ~
 
 
【記事全文】 ↓↓↓ (現代ビジネス)
 
 
 
 
長文ですがご一読ください  
↓↓↓
 
 
*ゴールデンレトリバーめぐのこと*
〜公園に置き去りにされた犬を
保護したら元飼い主と裁判になり敗訴。
その後、どうなったのか〜
 
2015年10月28日の記事を最後に
私からめぐの事を報告する事が
出来ずにいました。
 
『その後めぐちゃんはどうなったの?』
 
多くの方から
ご心配のお声やメッセージを頂き
ご心配をお掛けしていた事と思います。
 
嘆願書へのご署名を
お願いさせて頂いた経緯もあり
私からの報告がない事に対して
お叱りの声もいただきました。
 
その点でご迷惑をおかけしたり
不快に感じさせてしまった方々へは
心よりお詫び申し上げます。
 
また、私やめぐの事を心から気に掛け
心配してくださる方々が
沢山いらっしゃる事に
とても心強く感じ
沢山励まして頂きました。
 
感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
 
めぐのその後を、
こうして報告・発信する事が
動物たちの明るい未来の為になる事を
願って、厳しいご意見がある事も
承知ですが、正直に事実を
お話したいと思います。
 
なお、私は裁判所での判断や
元飼い主さんを批判することは
まったく企図しておらず
あくまで今回のめぐと私の経験を通して
一人でも多くの方の
動物たちの明るい未来を
考えるきっかけになればとの願いから
であるという事を
申し添えさせていただきます。
 
 
この話を初めて目にする方も
いらっしゃるかと思いますが
これまでの経緯は
私のfacebookでの記事や
朝日新聞さんのsippo
明治大学の吉井啓子教授による
判例解説にて
分かりやすく取り上げて
記事にして頂いていますので
ご興味のある方はそちらを
ご一読いただけましたらと思います。
 
 
 
〜めぐと私たち家族の最後〜
 
裁判は、2015年4月から始まり、敗訴。
 
控訴したものの
2018年4月に敗訴した事は
フジテレビさんのとくダネ!や
朝日新聞さんのsippoでも
取り上げて頂いた事でご存知の方も
多くいらっしゃる事と思います。
 
 
私は敗訴し
めぐを返還しなければいけない
立場ではありましたが
相手側からの
“速やかにめぐを返還するように”
という要求には応じられずにいました。
 
いつか来るかもしれない、強制執行。
もし、その執行が行われたらどうしよう…
 
敗訴したその後は
そんな不安を抱えながら
過ごした1年でした。
 
しかし
判決から1年が過ぎても
強制執行は行われませんでした。
 
敗訴から1年1ヶ月経った2019年5月23日
 
めぐは間もなく
15歳10ヶ月を迎えようとしていました。
 
後脚は衰え
散歩もゆっくりと5分歩くのが
やっとでした。
排泄の失敗が増え
上手く立ち上がる事が出来なくなり
立ち上がるたびに排泄してしまう
そんな状態になっていました。
 
認知症も始まっていたかなと思います。
 
いよいよ
めぐも命の最期への階段を
登っているんだなぁと感じながら
めぐが排泄で汚した場所を掃除し
排泄で汚れてしまっためぐの身体を
洗って乾かしていた時でした。
 
めぐは、強制執行によって
私達の前から居なくなってしまいました
 
 
 
本当に、突然でした。
 
突然の出来事。
めぐも何が何だか
分からなかったと思います。
 
 
途中で歩くのをやめためぐは
抱きかかえられて
連れて行かれてしまいました。
 
めぐと私たちのお別れは
あまりにも突然で、
私たち家族の前でめぐが最期を迎える
“死”という現実より、辛い現実でした。
 
受け止めるのに
とても時間がかかりました。
 
明日もまた
めぐと一緒に居られると思っていたから
 
 
その後、めぐがどうなったのか
今、どうしているのか
私たち家族は知ることは出来ません。
 
 
めぐの最期に寄り添う事は
出来なくなってしまいました。
 
悲しくて
寂しくて
辛くて。
色んな想いが渦巻いていました。
 
 
この事実を皆さんに報告するべきなのか
どうするべきなのか。
 
自分の中で受け止めて
終わりにするべきなのか。
 
この終結とどう向き合い
どう受け止めたらいいのか
本当に沢山考えました。
 
〜今の日本の現実と私の願い〜
 
めぐの所有権争いによって
敗訴した今回の件。
 
なぜ、敗訴したか。
 
それは、めぐを公園に置き去りにした
行為自体が、元飼い主さん本人が
行ったものではなく
元飼い主さんが交際していた男性
であったと認められ
遺棄罪に当たらないという
判断がなされた事。
 
そして、十分な手立てとは
いえないにしても
元飼い主さんがめぐを
連れ戻す為にそれなりの行動を
取ったと判断され
所有権を確定的に放棄したとは
認められないとされた事で
最終的には動物愛護法の
遺棄罪としてではなく
遺失物法の範疇での判決になり
元飼い主さんの所有権が認められたからです。
 
最終的にめぐの所有権が
元飼い主さんにあると
認められた背景には
法律上めぐが“命”としてではなく
“物”として扱われている
現実があるからです。
 
いくら、動物愛護法という
法律があっても
人間の所有物となってしまえば
めぐは一つの“命”ではなく
一つの“物”だとされてしまう
日本の法律。
 
私の力では
どうしようも出来ない現実が
あったから、めぐを最期まで
守り抜く事が出来ませんでした。
 
そして、めぐは私たち家族の前から
居なくなってしまいました。
 
裁判官の方のせいでも
裁判のやり方が悪かった訳でも
弁護士の方の力がなかった訳でもない。
 
 
そして、私も
精一杯やり抜いたつもりです。
 
精一杯、皆さんがそれぞれに
お仕事をしてくださったと感じています
 
 
でも、今の日本の法律が決めています。
 
めぐの“命”は“物”だと。
 
そう、めぐだけではない。
動物たちの“命”は
今の日本の法律上は“物”なんです。
 
財布や鞄と同じ、“物”。
 
本当に、財布や鞄と同じ“物”ならば
財布や鞄と同じように
3ヶ月間は大切に適切に警察署で
保管されるべき。
 
でも、めぐは動物だから
それは不可能で
警察に預けたままだったら
そのうち保健所に移され
殺処分される可能性があった。
 
だから私は、警察に
「拾得物」として届け出たうえで
保護しました。
 
 
3ヶ月近く動物の飼育をせずに
放っておいても
ギリギリでも3ヶ月以内に
『私が飼い主です、返してください!』
と言えば、遺棄したことにならず
所有権が認められ
返してもらえるのが
今の日本の法律なんです。
 
 
そもそも、動物の“命”が
“物”であるという扱いには
納得いかないけれど
元飼い主さんに3ヶ月近く
名乗り出ることが出来なかった
一般に合理的と思われ
納得の出来る理由があったのならば
返還していたと思います。
 
でも、私が入手した情報から
判断する限り、そうじゃなかった。
 
また、保護主が
一般人である私ではなく
自治体であれば、
またこの裁判の結果は
違っていたのかもしれません。
 
そのことは先にご紹介した
明治大学の吉井教授の判例解釈でも
言及されています。
 
そういった点も
曖昧な判断である動物の所有権。
 
そうであるばかりに
苦しい想いをしている動物や
人々がきっと沢山いる。
 
私に似た事例で苦しんだ方も
きっといらっしゃった事でしょう。
 
今年改正された動物愛護法では
動物を遺棄した場合の罰則に
「懲役1年以下」が加わり
厳罰化が進みました。
 
でも、動物愛護法の改正を
いくらやっても
動物の命が“物”扱いでは
人間に所有される動物の所有権が
問題となった時には
“命”としてではなく
“物”として扱われてしまう。
 
動物の“命”も“物”じゃなくて、
一つの“命”として、尊重して欲しい。
法律が変わって欲しい!
 
そう心から願っています。
 
でも、今の私には
法律を改正する為に活動する事は
現実問題難しいです。
 
私にある時間もエネルギーも
限られています。
 
だから、この発信は
無責任なのかもしれません。
でも、正直な私の想いと
気持ちを伝えます。
 
私のこの発信をキッカケに
何かが動き出してくれたら
嬉しいなと思っています。
 
そのキッカケを
法律改正というパズルのピースを一つ
私はめぐからもらったのだと
思っています。
 
だから、そのピースを
皆さんにこの発信という形で配ります。
 
一人一人の知識や意識が変わる。
 
それだけでも大きな意味があると
思っています。
 
いつ完成するか分からない
果てしないパズルかもしれません。
 
こんなに先進国な日本なのに
動物に対してはとっても後進国
そう感じています。
 
今回のような事例以外にも
沢山の動物が
そして沢山の動物に関わる人々が
苦しんでいる現実があります。
 
 
ぞんざいに扱われる“命”があるのす
“物”として扱われる“命”が。
 
こうしている間にも
人間の身勝手で動物達の殺処分が
行われている現実があります。
 
どうか、そういった現実にも
目を向けて頂けたらと思います。
 
〜めぐと私が出逢った意味〜
 
私は“物”じゃないよ。
めぐの声が聞こえてきそうです。
 
キッチンに立つたびに
いつも足元に寝転んでいた
めぐがいない事に
切ない気持ちになります。
 
本当に突然居なくなってしまったから
いつもみたいに『めぐ〜』と呼んだら
すぐにでも駆け寄ってきそうな
気がしてしまいます。
 
こうして思い出すたびに
涙が溢れてしまいます。
 
私は、起こる出来事には
全て意味があると思って生きています
 
 
辛い事も
悲しい事も
全てに意味があって
未来と繋がっている、と。
 
でも、このめぐとの出来事が
私に何を伝えたいのか
ずっとずっと意味が分からないでいた
6年間でした。
 
 
正直、今でも明確には分かりません。
 
だって、この出来事に関する
穏やかではない時間や
労力や
感情全て含めて
誰が幸せだったのだろうと思うからです
 
なぜ、私はめぐと出逢い
保護し
訴訟問題にまでなり
最後は強制執行という
悲しい幕の閉じ方で
終結してしまったのか。
 
めぐが私達家族にもたらしてくれた
幸せな時間や愛情はあっても
悲しみや苦しみも多い6年間でした。
 
 
でも、どんな結果になったとしても
この現実を無駄にしてはいけないと
ずっと考えていました。
 
めぐは身をもって
日本の皆さんに
お伝えしたかったのかもしれない。
 
私の魂と、言語化出来る
私という人間の身体を使って
この事実を
日本の法律の現実と現状を伝えて
変化をもたらしたいという
事なんじゃないかと
そう受け止めています。
 
めぐが私を選んでくれたんだって。
 
 
様々なご意見
反応があるだろう事も承知で
めぐが“命”を持って私に伝えたかった事
皆さんに伝えて欲しかった事を伝える。
 
綺麗事ではなく、正直に、事実を。
 
動物達の“命”の事。
 
どうかどうか
一人でも多くの方に届きますように。
 
 
 
〜最後に〜
 
私は普通の主婦です。
大切な家族がいます。
めぐもその一員でした。
 
 
何かを日常的に発信したり
何かの活動をしている訳ではありません
 
 
普通に子育てと家事をし
暮らしています。
 
そして、それだけで
日々がいっぱいいっぱい。
そんな毎日です。
 
以前、署名を集めさせて頂いた事を
きっかけに、対応しきれない程の
メッセージを頂きました。
 
 
本来なら
一つ一つお返事させて頂くべきだと
思いますし
そうしたい気持ちはありましたが
日々の暮らしの中では限界があり
全てに対応出来ませんでした。
 
対応出来ない事に
申し訳なく感じてしまいますし
心ない言葉や
メッセージの内容によっては
傷心してしまった事も事実です。
 
 
そして、この発信は元飼い主さんも
きっと良く思わないでしょうし
弁護士さんを通して
『インターネット等を使用し
賛同者を募る行為は
個人情報と人格権を
侵害する疑いがある為
慎重な配慮をするように』
との連絡が、私の元に届いています。
 
実際にこの件を取り上げ
発信したメディアに対して
何らかの抗議等がなされているようです
 
だから、こうして発信することで
また何かあったらどうしようかな。
 
家族に何かあったらどうしよう。
そう考えてしまうのは当たり前で
沢山悩みました。
 
 
ですが、訴訟を提起したのは
元飼い主さんであり
裁判とは公開の法廷で行われるものです
 
裁判の公開は
憲法上で定められた
非常に重要な原則です
 
 
また、これまでもこれからも
元飼い主さんの個人情報等は
一切記しておりませんので
名誉毀損にはならないと判断し
そして何より
未来の動物達の為に
覚悟を決めて事実を報告致します。
 
私は、元飼い主さんを責めたくて
この発信をしている訳ではありません。
 
 
何度も繰り返しますが
動の“命”が
“物”として扱われてしまう日本の法律を
変えたいという思いからです。
 
裁判は終わり
私が敗訴
強制執行という形で終結しています。
 
 
お互いに違う人間です。
お互いに、違う価値観を持って
生きています。
 
裁判中も、面会や手書の手紙送付など
色んな形で思いを伝えてきました。
 
ですが、元飼い主さんの言い分
私の言い分があり
お互いの考え、思い
価値観を譲る事が出来なかったから
和解出来ず裁判になり、今に至ります。
 
私が正しい
間違っていないという事を
伝えたいのではありません。
 
この発信も、賛同意見もあれば
反対意見もあるはずです。
 
みんな一人一人違う人間で
みんな違う価値観を持って
生きているのですから
私の思いを押し付けたい訳では
ないことも、ご理解いただけましたら
幸いです。
 
私は日本人であり
日本に住んでいます。
 
ですから、今回
めぐの所有権訴訟問題で敗訴した。
 
それならば
どんなに納得がいかなくても
判決に従い
日本の法律に従い
めぐを元の飼い主さんの元へ
速やかに返還するのが
正しい行いだったのだと思います。
 
 
どうしても、納得できなくて
返還出来なかったけれど
それが正しい行いだったのかは
分かりません。
 
そう、私はルールを破りました。
 
置き去りにされためぐの命は
守ったけれど
マナーは守ったけれど
ルールを守らなかったのは私です。
 
 
だから、その点に関しては
心からお詫び致します。
大変申し訳ありませんでした。
 
でも、動物の“命”が“物”であるという
この日本のルールには
どうしても納得出来ないのです。
 
私がめぐを保護した事で
経験した出来事と
感じた事
今の日本の現実を伝える。
 
この発信が
動物達の明るい未来の為になる事を
願っています。
 
 
 
めぐへ
 
沢山の愛と幸せをありがとう。
出逢ってくれて、ありがとう。
子供達が、めぐはいつ帰ってくるの?
逢いたいなぁといつも言ってるよ。
いつも想ってるよ。
あなたから
本当にたくさんの事を
学ばせてもらったよ
本当にありがとう。
一生忘れないよ。
めぐの幸せを心から願っています。
 
感謝の気持ちと愛を込めて
私からめぐへ最後のプレゼント。
 
2019年12月3日 有坂 香菜
 
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
全てのコメントやメッセージへの
返信が出来ません事を
ご理解くださいますと幸いです。
 
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