入籍する日まであと少し
気にかけていた事が、やっぱり起きた。
私の父の事…
私の父はタクシー運転手。
8人兄弟で裕福とは言えない家庭だったため、中学卒業後、働きながら定時制の高校に通っていた。
その後も学歴がないため、できるのは力仕事。
大手建設会社で建設作業員として働いていた。
母と結婚したのは23歳。
その数年後、働いていた建設会社の下請業として自営で仕事を始めた。
休みはお正月だけ。土日も全て仕事して、念願だった一戸建てを28歳でローン無しで建てた。
どちらかと言えば、私は裕福な環境で育った。
他に土地も購入し持っている。
力仕事なので、いつまでもはできない。
仕事を依頼されていた建設会社が傾き始めた為、兄と私が経済的に自立したタイミングで早めに自営を閉じた。
家はあるし、蓄えもある。何かあったら土地を売ればいい。あとは母と2人で暮らしていくだけ。
できる仕事は限られる。社会保険や年金の事も考えタクシー運転手になった。
「学問と資格は大事」
数えきれないほど父に言われていたのは自分の経験から……(感謝してます)
また夫が出勤後の朝に義母からの電話が鳴った
今度は何かと思って電話に出たら
義母「あのね、あなたのお父さんの事なんだけど」
きたか…ついに…
「私ね、息子からタクシー運転手って聞いた時、ガッカリしてガッカリして寝込むところだったのよ。医者がタクシー運転手の娘と結婚するなんて、恥ずかしく恥ずかしくて、こんなの誰にも言えないのはわかるわよね!」
私「はい。」
義母「昔は自分で仕事してたって聞いたけど、何やってたの?」
私は義母に丁寧に説明した。
義母は笑いながら
「ちょっと、なんでそんな見栄はるの。借金だらけで倒産したんでしょ。潰れたんでしょ。そんなの聞いただけでわかるわ」
私「いえ、本当に倒産したんじゃないんです。先を見据えて早めにやめたんです。」
義母
「いい、いい、もうそんな嘘言わなくていいから。あの父さん見たらわかるわ」
はらわたが煮えくりかえるほど怒りが込み上げた
この人にここまで言われる筋合いはない
私の結婚のせいで、父がこんな言われ方を…
怒りで言葉も出ない…
そしたら義母が勝手に喋り出した
「ずっと考えてたんだけどね、普通の会社員って事にしておくわ。必ず聞かれるんだから。みんなどこかのお嬢様と結婚すると思ってるんだから、最低でも会社員って事にしておかないと。
だって影で笑われるよ、私も息子も。なんでそんなのと結婚するんだって」
私「お義母さんのいいように言って下さい」
義母「看護師と結婚するって事だって言いづらいんだから。せめて医局の秘書さんだったら良かったんだけど。聞いた印象が違うでしょ。」
言い返すと同じ話をまた繰り返されると思ったので、全て「はい」と答えて電話は終わった。
まだどうにかして結婚を阻止しようとしているのだろう
義母は30代で結婚したので、私の両親の方が10歳近く若い。
私の父を「父さん」と言うのであれば
あんたは「ばあさん」だよ
親の事を言われるのは、自分の事を言われるより何倍もツライものですね…
もし『人の事をボロクソ言う選手権』があったら、ぶっちぎりで義母が優勝するだろう…
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