雨が降る空を見上げ、小さくため息をついてみる。

また、失敗か……

いつになったら、一緒に帰れるのかな。

そう思いながら、両手に持った2本の傘を見やる。



僕の気になってる気になってる君は、同じクラスの元気な子で。

そんな君を見るのが僕の日課になってて。


でもまだ喋ったことも、挨拶の「おはよう」さえもなく。


何かきっかけがあったらと言い訳を続けてきて、梅雨の季節。

雨が降るのを見て、閃いた。

傘を貸したらいいんじゃないかって。

ただ、何を思ったか2本も持ってきてしまって。

傘を持ってたらなんて、頭のなかになくって。

今まで雨が降って、もう10日目。

声をかけられないのもその日数に比例して。





明日から晴れるって朝の天気予報。

今日が最後だなんて心を決める。

勝負の放課後まで、一瞬の出来事で。

いつも通り、昇降口で君を待つ。

その時ふと気づいた、両手の物足りない
感じに。

一番、大事なものを忘れてしまいショックが隠しきれなかった。



いつもと同じ小さなため息をつき、ダッシュで帰ろうとしたとき、

僕を呼び止める声。

その声がした方に振り向くと、息を切らした君が立っていて。

傘なかったら一緒に帰らない?っていつも聞いてる君の優しい声と、笑顔で。

それだけで僕はKO寸前で。

相合い傘で、君と歩く道はいつもと違く見えて。

君色に輝きだす。


そんな事を思ってる僕に、君からの声で。

小さな声すぎて聞こえず、ただ、顔だけは真っ赤に染まっていて。

もう一度、口を開いた君が告げる。



ずっと声かけようと思ってたんだ。

きっかけが無さすぎて、声かけれなかったけど……

今日、傘もなく教室を出て行く、〇〇君を見てもしかしたらって。

このチャンス逃したら、一生言えなそうだから言うね。




〇〇君のことがずっと好きだった。




君からのあの言葉から一週間。



あのとき、君色に輝いた道はもうなくて、
今を彩るのは、

僕と君色に染まる未来(これから)。