読後つれづれ

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ブログタイトル迷走中。。。
読んだ本の感想など

 

雨穴「変な地図」

 

昨日、さらっと感想を書きましたが

 

 

どうしても払拭しきれない疑問点があり、

そこを突き詰めると

どうしてもネタバレに抵触するので

別記事としてわけてみました。

 

それでも非常に長くなってしまったので

興味のある方だけ御覧くださいねm(__)m

 

 

何かがおかしい

雨穴さんのYouTubeが

「何かおかしい」

というだけあって、

そういった違和感に気付くことがポイントです。

 

この「変な地図」も

ちょいちょいひっかかるところがありました。

 

①「紅茶」

序盤、栗原文宣が父親と話す時、

そのテーブルには紅茶がありました。

 

この時点でちょっと違和感がありました。

 

わざわざ、紅茶にする必要ある?

さらっとお茶ぐらいでいいと思うんですが。

 

そして後半、偶然知り合った大学教授・富永の

ゼミ室を訪れた際、

富永はわざわざ紅茶をいれるため

お湯をもらいにゼミ室を出て行きます。

 

こういう時ってお茶か、

せめてコーヒーが多いような…。

 

②列車の乗客

人身事故に遭った電車で一緒になった乗客たち。

他人であるのに、

わざわざ交流するシーンが描かれていて

「これは必要?汗

と違和感。

 

特に着物の女性の

 

「お礼がしたいけど困りごとはない?機会があったら頼ってね」

 

という発言が、なんとなく違和感。

③登山道で前を歩く親子

栗原が母娘山の登山道を上る時

前を親子が歩いており、

その会話が聞こえてきました。

ほのぼのとした雰囲気を醸し出していましたが、

 

「この描写、必要?汗

 

とも思いました。

それにこんな不便なところへ

栗原以外に登山に来る人がいるんだ…

しかも小さい子連れ(母と娘)が…

 

と違和感がありました。

 

 

この3点は後々意味がありましたね。

 

特に紅茶に関しては、

栗原の祖母が持っていた地図と関連がありました。

喜和子の手記では、

”母親が小遣いで業者から紅茶を買っていた”

という記述がありますし、

その辺りは伏線回収していると思います。

 

あの横暴な男たちが

女・子供に小遣いを与えていたことが驚きでしたが

 

 

他にも、紅茶と一緒に購入していた「種」や

女達の「石彫り」など

ちりばめられた伏線の回収は丁寧にされていました。

一方でまわりくどかったり、

つじつまあわせな感じも否めませんでしたが。

 

どうしても腑に落ちない!

伏線回収はされていたと書きましたが、

ただひとつ、すごく腑に落ちない点がありまして。

 

 

電車の乗客人数が合わない!

 

人身事故に遭った電車に乗っていた

乗客の人数です。

 

 

車両は一両編成。

栗原が電車に乗った時、

 

”早朝だからか、客は少なく、学生服の少年二人と、着物の老婦人が一人乗っているだけだった”

 

とあります。

この時の乗客は、栗原を入れて四人

 

 

事故処理が終わり、

電車から下ろされた乗客たちは

パトカーで柿童駅へ送ってもらうことになりました。

 

”乗客五人は二台のパトカーに分乗する”

 

とあるのです!

 

 

いつ一人増えた?汗

 

 

ここの箇所を何度読んでも、

一人増えたような記述はないのです。

 

事故は湖隠駅から巻鶴海駅までの間の

母娘山トンネル内で起きているため

途中の駅で誰かが乗って来たわけではありません。

 

反対方面から来て足止めされた列車の客か?

とも思いましたが、

「事情聴取を終えて開放された」

とあるので、人身事故に遭った電車に乗っていた乗客たちだと思うのです。

 

他には鉄道関係者(運転手、駅員スガワラ)は登場しますが

その人達は「乗客」ではないし、

移動するにしてもパトカーではないと思うのです。

 

 

この謎が、

結局最後まで解明されずに終わりました。

 

 

誤植?

それにしてははっきり人数書かれてるし、

学生たちの会話部分が

何人で話しているのかわかりにくく書かれているのが

余計に気になるのです。

 

謎のもう一人の乗客

物語では、結局最後まで

真犯人はだれだったのか明言されていません。

永作が犯人だ、というのは

栗原の推理の中だけです。

 

もしかして

 

真犯人は実は他にいたのでは?

 

 

その人物は「第三非常口」付近に潜んでおり

何気なく栗原たちと合流したのでは?

非常口へのトンネルは暗かったらしいですし。

(人数が増えたことに栗原は気付かなかったのか?

がちょっと疑問ですが)

 

 

そこで私が気になったのは

人身事故で亡くなった当人・大里幸助の

外見的特徴。

 

 

栗原は大里の写真を見て

”細身で背が低いので、顔をみなければ、大人たちの中に中学生が交ざっているかのようだ

表現していました。

なので私はこの時、

 

「人身事故で亡くなったのは帆石水永作で、

大里が殺害したのではないか」

 

と思いました。

大里ならば、乗客の学生たちにまぎれても違和感ないようなので。

 

しかし、亡くなった人物が大里という事実は

確定事項でしたガーン

(司法解剖もされましたからね…)

 

 

では、永作がまぎれて逃げたのか?真顔

 

しかしこれは無理があります。

栗原は永作の顔を知っているし、

永作はがっしりした体格なので

まぎれることは難しい。

 

 

ということは、あと一人は誰・・・?

 

ネットでは「真犯人スガワラ説」が出回っているらしいですが、

彼にはアリバイがあるので無理だと思います。

 

他に誰かいるのか?

 

 

永作犯人説の違和感

永作が矢比津会長に協力し、

大里を殺害しようとしたのは確かだと思います。

 

しかし、足を怪我するというアクシデント後の

トリックが違和感があるのです。

 

サムターン錠に細工をし、

携帯アラームを5時50分から

1分ごとにセットする、というやり方が

永作の性格と結びつかないのです。

 

永作だったら、

あきらめて大里をその場へ残し

電車に轢かれるのに任せたのではないか?

 

 

 

ここからが私の勝手な仮説、

というか創作ですので

ご了承くださいお願い

 

勝手に真犯人予想「犯人はお前だ!」

永作は足を怪我したことで、

大里を第三非常口まで運ぶことができなくなった。

それでも大里が人身事故で亡くなれば

河蒼湖集落周辺の観光開発は中止になるはずで

矢比津会長との約束は果たしたことになる。

 

そう判断して永作はそのままその場を離れます。

(物干し棹を加工した凶器も、置き去りにした)

 

しかし、永作がきちんと計画を遂行するか

監視していた人物(矢比津の協力者)がいた。

 

その人物は、永作が去った後に

サムターン錠に細工し、アラームをセットした。

そして永作が置き去りにした凶器を構え、

第三非常口で待ち構えた。

 

矢比津会長のために

より計画が正確に実行できるように、

そしてその罪を永作へなすりつけられるように。

 

 

では、その人物は誰なのか?

 

もう、これはこじつけではありますが

矢比津会長の隠し子

しかいないと思うんですよねおいで

 

 

そしてその隠し子の母親は

もしかしたらあかりの母・果乃なのでは?

 

果乃は25歳の時に離婚したらしいのですが、

最初の結婚について

全く明かされていないのが気になりました。

 

実際、矢比津会長は果乃に迫っているし

あり得るかなー、と思ったのです。

 

でも。

 

ちょっと年齢の計算があわないんですよねあせる

 

 

隠し子が幹部に抜擢されたのが5年前頃ということは、

2015年時点では、30歳は越えているはずです。

 

逆算して1980年頃に生まれたとすれば

果乃が結婚していた時期に一致はするのですが、

そうすると、果乃が永作と再婚した頃、

隠し子はまだ十代前半だと思うのです。

 

隠し子を誰が育てた?

 

という疑問が出て来ます。

 

 

そのため、果乃の説は却下ですね…。

 

 

ただ、矢比津会長に無条件で協力するのは

隠し子しかいない、

と思っています。

 

真相ははっきり明かされないまま・・・

矢比津会長の命が助かり

永作が意識を取り戻した後

 

どうなったのか…。

 

矢比津鉄道は?

観光地開発は?

帆石水家の立場は?

 

あとがきの後日談には、

帆石水家については

「デリケートな話題になってしまうため」

詳細は伏せられています。

 

あかりは「現在は」非常に幸せに暮らしているそうですが

 

 

非常にもやもや。

 

 

他にも

「針金で自殺って可能なの?」

とか

「この時代、学校に行かないことってあるの?

徴兵制度は?」

とか

「知嘉子は集落を出て、どうやって生きて行ったの?」

とか

「栗原の母はなんで舌ったらずな話し方なの?」

などなど

疑問点は多々あるのですが

揚げ足取りにもなりかねないので

このへんにしておきます。

 

 

 

 

 

 

最後に「変な地図」を見て

みなさんはどう思いました?

 

 

SNSを見ると

「顔に見えた」

という意見が多かったです。

(私も後半、そう思いました。特に湖の形が口に見える!)

 

 

ただ、第一印象は

「胎内」

でした。

母娘山が胎児に見えたのです。

 

火口があったらしき谷と川らしきものが

くねくねしていて

へその緒のようです。

 

「母娘山」という名前も

なんだか意味深ですよねおいで

 

真相とは全く関係ありませんが

この「何か気持ち悪い」感じをもつことが

雨穴さんの作品に対峙する時の

正しい姿勢なのだろうな、と思いました。