先日、萩尾望都さんの「11人いる!」を読んでいた時、
ふと思い出した成田美名子さんの短編漫画、
「はるかな黄金の砂漠」
絵柄も少し似ていた気がしまして、
でもお話はほとんど忘れており。
もう一度読みたくなり、
探したところ、現在は
「天の神話 地の神話」という文庫に収録されていました。
<ストーリー>
フランスで暮らしているエディの元に、ユウ・サエダという日系の少年が現れる。
彼は生き別れになった双子の兄を探しており、エディがその兄ではないかと言う。
ユウは人の心を読んだり物を自在に操る不思議な力を持っていた。
一方、エディは絶対兄弟ではないという核心があった。
エディと同じアパートに住み始めだユウだったが、
エディが彼の砂時計(タイムマシン)を壊してしまい
二人は1900年代のアラビアへタイムスリップする…。
お話はスケールが大きくて、感動的です。
時代はちょうど「アラビアのロレンス」の頃でしょうか。
当時影響されて、アラビアとかコーランとか
ちょっと調べたり読んだりしたなぁ~。
この頃、成田美名子さんは
SFものやアラビアを舞台にしたお話を
よく書かれていたんですよね。
私が成田美名子さんの作品に出会ったのは
「あいつ」(1979-1980)という作品なのですが
その中に登場する男子高校生二人は、アラビア(シルクロードだったかな?)が好きで
関係する仕事につくのが夢でした。
その次の「エイリアン通り」(1980-1984)も、主人公がアラビア半島の小国出身で
そちらの文化がよく描かれていたのですが
その次の作品は全く違うニューヨークが舞台となり、
全く違う世界観になってしまいましたね~。
この文庫に収録された作品
- 「天の神話 地の神話」1984年 ララ10・11月号掲載
- 「ワンダーランド」1978年 ララ3月号掲載
- 「はるかな黄金の砂漠」1978年 ララ8・9月号掲載
- 「安寿・その昔」1979年 ララ7月号掲載
- 「一星へどうぞ」1977年 花とゆめ5月号掲載
- 「春休み大飢饉」1978年 ララ4月号掲載
- 「2年4組転入生の乱」1980年 ララ8月号掲載
- 「2年4組その逆襲」1980年 ララ10月号掲載
- 「秋の絵具箱」1977年 ララ10月号掲載
- 「夢追人」1977年 HC「ウェルカム」掲載
- 「天の神話 地の神話 特別編」1988年 JTC「天の神話 地の神話」掲載
「天の~」と「ワンダーランド」は未来の話。
「一星へどうぞ」~「2年4組その逆襲」は学園ものですが、
主人公の父親はSF作家であり、多少SF風味の部分もあります。
「天の神話 地の神話」は1984年の作品で
「エイリアン通り」と次作品「CIPHER」(ニューヨークが舞台)の間に書かれたらしいので、
SF部分はまだ継承されています。
この頃のお話、ロマンがあって好きだったんですけどね。
現在の、能の世界を舞台にしたお話も
興味深いし面白いですが(10巻までは読みました・・・)
「2年4組」のハチャメチャ感も懐かしいですね