「おい。そこの二本足」


「きょろきょろしてんな。こっちだよこっち」



 ぼやぼや臨床心理士のひとりごと。-SN3K0175.jpg  

「なっ・・・なんだなんだそのつんざくような叫び声はよぅ

近所迷惑なんだよ」


「え?オレか?さぁ・・・よくわかんねぇなぁ。

気がついたときからここにいるから。

お前、見たとこによると人間か?」


「なんだよ~おい~いきなり怒んなよ~。

いや、見ただけで人間だってわかるよ?ちゃんと。

別におまえが人間に見えない顔してるとか言ってないだろ」


「あ。ちょ。ごめん。石投げるのやめてくれ。

傷がつく傷が」


「てかさ~。驚いたり、怒ったり、忙しいやつだな~。

人間って100年くらいしか生きらんねーからかねぇ。

あ、あれなんつったっけか。自分探し?っての?

あれ、お前もやるんか?」


「まぁ、そうだな。そんな面倒な話

今日会ったばっかりのやつに話すもんじゃねぇな。

でもさぁ、あれ、自分探しの旅?

旅とかまでしちゃうやついるんだろ?

オレにはよくわかんないな~。

旅までして探すって、

自分のことどこまで飛ばしちゃってるんだよ。

分身とかなのか?」


「ん?なんか違う?んー。よくわかんねぇな。

何者かわかんないけど、オレはオレだしな」


「え?なになになになに~。今度は凹んでんの??

人間ってよくわかんないな~。

でもまぁ、そこが面白いのかね。

またちょくちょく来いよ。

オレここから動けなくてつまんないから。

昼間来たら、もうちょっと薄気味悪さ軽減するし。

案外かわいいんだぜオレ。

もう帰れ。お前すぐ風邪ひきそうな顔してっから。

じゃあな。オヤスミ」