「おい。そこの二本足」
「きょろきょろしてんな。こっちだよこっち」
「なっ・・・なんだなんだそのつんざくような叫び声はよぅ
近所迷惑なんだよ」
「え?オレか?さぁ・・・よくわかんねぇなぁ。
気がついたときからここにいるから。
お前、見たとこによると人間か?」
「なんだよ~おい~いきなり怒んなよ~。
いや、見ただけで人間だってわかるよ?ちゃんと。
別におまえが人間に見えない顔してるとか言ってないだろ」
「あ。ちょ。ごめん。石投げるのやめてくれ。
傷がつく傷が」
「てかさ~。驚いたり、怒ったり、忙しいやつだな~。
人間って100年くらいしか生きらんねーからかねぇ。
あ、あれなんつったっけか。自分探し?っての?
あれ、お前もやるんか?」
「まぁ、そうだな。そんな面倒な話
今日会ったばっかりのやつに話すもんじゃねぇな。
でもさぁ、あれ、自分探しの旅?
旅とかまでしちゃうやついるんだろ?
オレにはよくわかんないな~。
旅までして探すって、
自分のことどこまで飛ばしちゃってるんだよ。
分身とかなのか?」
「ん?なんか違う?んー。よくわかんねぇな。
何者かわかんないけど、オレはオレだしな」
「え?なになになになに~。今度は凹んでんの??
人間ってよくわかんないな~。
でもまぁ、そこが面白いのかね。
またちょくちょく来いよ。
オレここから動けなくてつまんないから。
昼間来たら、もうちょっと薄気味悪さ軽減するし。
案外かわいいんだぜオレ。
もう帰れ。お前すぐ風邪ひきそうな顔してっから。
じゃあな。オヤスミ」