小さい頃、私は人参が大嫌いでした。
もう見るのも嫌なくらい。
私の母は、
「何でも食べられなきゃ健康でいられない」
という信念を頑なに持っているので、
なんとか食べさせようと、
あの手この手で戦略を練ってきます。
ある時は、大量のすりおろし人参を、
お好み焼きの生地に混入させ、
オレンジ色のお好み焼きを作り
ある時は、「ひとつだけ食べなさい」
と我が家の番長としてのオーラを遺憾なく発揮させ
(そして一つ食べたら「もう一つ」と言われ
「お母さんのうそつきー」と泣き出すパターン)
そして最終的には私の鼻をつまみ、
口を開けた途端に人参を口に投げ込むという
強行突破も使用されました。
もちろん、そんなこんなで私の人参嫌いは
重症度を上げる一方で、
大学に入り、一人暮らしをしはじめた途端
「え?人参?なにそれ?見たことないなぁ」
といった状況になりました。
そんなある日、友人からの
「美味しいイタリアンがあるから行こう!」とのお誘い。
美味しい誘いを断る由もなく、鼻歌まじりに到着。
すると、まず最初に現れたのは
大皿に乗った大量の人参の千切り・・・・・
私の人参嫌い、
友人の中では知らない人はいなかったのに・・・
しかも
「これ、あなたのために昨日から頼んでおいたのよ!!」
と友人の満面の笑み・・
「そうか・・・友達だと思っていたのに・・
そうか・・・私のことが嫌いだったんだね」
と負のオーラを纏っていても、
容赦なく私の小皿にこんもりと盛られていく人参。
仕方ない。きっと何か悪いことしたんだ。
この罰をうけるしかない。
意を決して口にしたところ、
私のイメージしていた物とは違う、
なんとも爽やかな旨みが!
どうやらそれは人参の千切りを
バルサミコ酢などなどで一晩漬けてあったものらしく
これなら私も食べられるだろう!
と連れてきてくれたとのこと。
それから「友情にKANPAI!」と
一人一本ワインを飲み干したのでした。
めでたしめでたし。
いや、着地点間違った。ワインとかどうでもよくて。。。
それからなんと、
キャロットグラッセ以外の人参が美味しく食べられるように!
野菜スティックなんか、生人参をあえて選びぼりぼり食べます。
どうしてだ???
③に続きます。