「YouTube? 母さんが?」
あの時、タロウさんが新聞から顔を上げて、そう言った時の表情を、私は今でもはっきりと覚えている。少しだけ見開かれた目、わずかに上がった眉。驚きと、どこか戸惑いのようなものが混ざった、複雑な色をしていた。
それまで、私はずっと「普通の主婦」だった。パートに出て、家事をして、コウタの世話をする。それが私の日常で、それ以外の何かになるなんて、考えたこともなかった。あのカフェで、ユイさんのYouTubeチャンネルに出会うまでは。
ユイさんの動画を見た時、胸の奥に眠っていた何かが、むくりと頭をもたげた。「私にも、できるかもしれない…?」根拠のない自信と、それ以上の不安。でも、それ以上に、新しい世界への好奇心が、私を突き動かしていた。
だから、あの日の夕食後、私は意を決して家族に打ち明けた。「YouTubeで動画を作ってみようと思う」と。コウタは「面白そうじゃん!」とすぐに乗り気になってくれたけど、タロウさんは…。
「YouTube? 母さんが?」
あの言葉には、やっぱり、戸惑いがあったんだと思う。無理もない。それまでの私は、新しいことに挑戦するタイプじゃなかったから。いつも、無難な道を選んで、安定した生活を望んでいた。タロウさんから見たら、私の突然の提案は、青天の霹靂だったのかもしれない。
でも、私は続けた。「私と同じくらいの主婦の人が、動画制作で結構稼いでるみたいで…」って。少しでも、タロウさんの不安を和らげたかった。
タロウさんは、しばらく黙って私の話を聞いていた。そして、こう言ってくれた。「まあ、やってみるのはいいんじゃないか? でも、無理はするなよ」って。
その言葉を聞いて、私は本当に嬉しかった。反対されるかもしれないと思っていたから。タロウさんの言葉は、私の背中を優しく押してくれた。
それからの日々は、まさに試行錯誤の連続だった。動画編集ソフトの使い方が分からず、コウタに教えてもらうことも多かった。初めての動画を公開した時は、再生回数が全く伸びなくて、心が折れそうになった。
でも、諦めなかった。タロウさんの「やってみればいい」という言葉が、いつも私を支えてくれた。そして、少しずつ、少しずつだけど、動画を見てくれる人が増えて、温かいコメントをくれるようになった。
チャンネル登録者数が増え、収益化できた時は、本当に夢のようだった。タロウさんも、コウタも、一緒に喜んでくれた。タロウさんは「まさか、本当にYouTubeで稼げるようになるとは思わなかったよ。すごいじゃないか!」って、心から褒めてくれたっけ。
今、私は動画制作を本業にしたいという夢に向かって、毎日を楽しんでいる。あの時、タロウさんが見せた驚きの表情は、私にとって、新しい一歩を踏み出す勇気をくれた、大切な思い出だ。「YouTube? 母さんが?」あの言葉があったから、今の私がある。そして、これからも
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