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- 内容(「BOOK」データベースより)
- 事件の封印が次々と解かれていく。私たちは真実に一歩ずつ近づいているはずだ。けれど、何かがおかしい。とんでもないところへ誘き寄せられているのではないか。もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた―?一方、陪審員たちの間では、ある人物への不信感が募っていた。そして、最終日。最後の証人を召喚した時、私たちの法廷の、骨組みそのものが瓦解した。
いよいよクライマックスの第3部です。
ここまで来ると、登場人物にもかなり感情移入しているので
さぁどうなる?どうなるの??
という気持ちも強くなり、自然と読むスピードも上がってきます![]()
特に、法廷に見立てた学校内裁判の5日間は圧巻です。
本当に中学生にこのレベルのことが出来るの?という疑問と、
いやいや、自分が中学生の時にも、精神的には充分この子達と同じだったではないかという思いと
振り子のように自分自身も大人と子どもを行ったり来たりして読んでいました。
8月15日~8月20日
熱い、そして暑い5日間がジリジリと皆を真実へと近づけて行くのですが・・・
ずっと読者が感じていた違和感に、登場人物たちも気がつき始めた辺りから、もうひとつの流れが合流して、やがては皆を一ヶ所へ運んでいくという感じです。
弁護側、検事側ともに正々堂々と、真実を知りたいという共通した思いに突き動かされた同士ですので、事件とは別に、子どもたちの関係は大変清清しいです。
事件としては、第3部の中盤でまり子が、
「誰にも、何もいいことがなかった。」と胸に突き上げてくる想いを独白しているように、負の連鎖によって何人もの人が傷ついているので、
その対比がなんとも不思議です。
「悪意」に出会った時、普通の人は「気味が悪い」と感じます。
この本の中でも、何度となく、
「気味悪かった」「怖い」という表現が子どもたちの口から発せられています。
サイコパスという言葉が頭に浮かんだけれど・・・それとは違うのかな?
