私がハマり倒しているあんスタというゲーム。


とんでもない人数の登場人物とそれぞれが絡み合うストーリーがいちいち重厚で

途中からから始める人に全く優しくないが、それ故に一度でも心を掴んだら2度と離さない底なし沼である。


そんな完全なる趣味のオタ活の中でもインナーワークは出来るっていうお話。




私の友人の推しがメインで出てくる、とあるストーリー。


彼女の推しの所属するグループが槍玉に挙げられて

何も悪くないのに一方的に倒されてしまう

とりわけ彼女の推しはやられるとわかっていてそこへ行き、案の定ボコボコに倒される


という流れのもの。


そのストーリーはこの話に絡むグループメンバーを推している人達の心に大きなトラウマを与えたことで超有名なお話で

私の友人はこの時のイラストを見るだけで本当に泣き出してしまい、とにかく数年経った今も受け入れられない、関連楽曲も聴けないと言っていました。


そんな話を聞いた数日後

なんとこのストーリーがオリジナルアニメとしてYouTubeで放送される事が決まったと告知。


そこからSNSでの彼女の狼狽ぶりは周りが本気で心配する程で

とはいえ成人した大人ですから、適度な距離をお互いに保ち合ってワイワイ楽しく過ごしていました。


なんとなく、身内でその話題にはあまり触れないようにして。


そんな中、そのオリジナルアニメの先行一挙放送のチケットを当てた私は、特に行きますとは言わずに黙ってしれっと全話みてきたんですけど


ゲーム内ではなかった描写があり

友人の推しが何を思って行動していたかとか

勝者と敗者で終わったあのズタボロのストーリーに

続きがある事がわかったんです。



それも踏まえて絶対見てほしいと思ったのですが

ストーリーのタイトルを口にするだけで涙目になっていた彼女を思うと何も言えないまま

とうとう1話ずつYouTubeで配信が始まりました。


その期間中、彼女は完全にSNSから姿を消して

あんなに◯◯くん、◯◯くん、って楽しそうだったのに

好き過ぎて遠いところへ避難してしまったのです。




が、しかし。


そんなイベントにぶつけて「推し会しよう!」と北は北海道、南は九州から友人数名で会う約束をガッチリ固めていたので

ネットでは逃げられてもリアルで逃げ切れるわけがなく

とはいえこちらも積極的に彼女の推しの話をするわけでもなく

オタク特有の自分の推しを各々が全力で語り愛でる、という方法で彼女を優しく()包み込み()ました。



別に嫌いになったわけではなく

自ら不幸な道を選択した彼に幸せになって欲しかったが故に苦しんでいるわけですから

そこを除けば普通に大好きなわけです。


周りのオタクたちに囲まれて彼女の中で何かが変わったのでしょう


「あのストーリーみます」

「ちゃんと◯◯くんの事を知りたい」


と。



トラウマって2度と思い出したくない、見たくないものじゃないですか。

でも心に受けた傷だけはざっくり残ってて。

そこをちゃんと見て、消毒したり絆創膏を貼ったりしないと治癒しないのに

こわい!やだ!って目を瞑っていたらいつまで経っても痛いまま、治せないんですよね。


その傷にちゃんと向き合うと 


自分自身で 


選択したわけです。

ここでひとつルートが大きく変わりました。



そのストーリーに連動したイベントのお知らせ配信を

色んなところから集まった仲間みんなで

iPhoneの小さな一つの画面でみて

真ん中で頑張って推しの姿を見ながらわんわん泣いてる彼女の背中をトントンしたり

頭を撫でたり

声はかけないけど

みんなで彼女のカタルシスを見守りました。



その後自分でちゃんとアニメを一気見したという彼女から来たLINE


なぜ受け入れられなかったのか、今回きちんと見てその感情が落ち着いたのかを分析してみた

自分の感情は、推しを助けようと最後まで足掻いた同グループの子に近かったこと、このストーリーの筋書きとそれを実行したキャラの事がとにかく許せなかったと気づいた。


でも推しは自分1人が討たれる事で

他の大多数が幸せになるならそちらを優先する考えで動いていた。


彼が何の考えもなしそんな選択するような人じゃないって分かっているのに、自分の感情が先に立って冷静になれなかった。


今回やっと彼の感情を真っ直ぐ受け取れて

もっと自分本位で動いて欲しいっていうのは私の浅いわがままだったんだなぁ、彼はもっともっと深くまで考えていて、動いていたんだなと気づけた。


今まで理由が分からない自己犠牲が苦しくてしんどかったけど、その理由がわかったからこんなに受け入れられたのかなと自分の中で結論づいた。


と話してくれました。


彼女は推しとその周りの人間関係を通して


どこに傷ついたのか、何が嫌だったのか(これを掘り下げられるかがインナーワークでは非常に重要)

どうして欲しかったのか

それを踏まえた上で相手の感情を推し量る


という1st.2ndまでのワークを成し遂げたのです。

彼女は別にインナーワークやヒーリングは目的としていませんし、多分学んでもいなければ知りもしない事だと思います。


ただの趣味の事、それだけ。

でもこんなに深く掘り下げる楽しみ方?使い方?してる人ってそういないと思うから

才能?あるなぁ〜と感心しました()


とにかく私は目の前で繰り広げられる、本能のままに自ずから行われているインナーヒーリングワークに目を見張っていました。


傷ついて、傷つき切った自分の心に

自分の選択で向き合い

傷を理解する事で彼女はひとつ強くなったのです。



ひとしきり泣いて喚いて落ち着いた時に


「これは私のパワーアップイベントだったんですね


とボロボロの顔で呟いた姿に

笑いと感動が込み上げました。



しんどいイベントだったと思いますが、それを乗り越えた彼女のツイートは

これまでよりもっともっと推しへの愛に溢れていて

今まで見ていた景色の世界が見えているかのようです。


彼女は彼女のパラダイムを

彼女自身で全部ひっくり返しちゃったんですね。



パラダイムを パラダイスに

全部ひっくりかえせ

キミが変わってくんだ!

楽しんでPLAY YOUR LIFE


って、彼女の推しが楽しそうに歌ってるんですよね。

そのストーリーを経た先の世界線で。




https://youtu.be/jATxwzlxbDM