さくらは、しっかり食べているのにどんどん体重が落ちてきて、
あばら骨が見えるくらいやせこけてしまいました。
もうぽっちゃりさくらではありません。
16歳の老犬ともなれば、人間と同じで筋肉がおちていくのはしかたのないことなのかな…。
心配なのは、脾臓に大きな腫瘍が見つかったことです。
良性か悪性かは検査ができないのでわかりません。
病気や発作はなんとか薬でコントロールしていますが、
足が弱って、もうよろよろとしか歩けません。
痴ほうも進んでいて、とんでもない危険な行動をすることがあるので
一瞬たりとも目が離せなくなりました。
だから家族で交代に休んで看ています。
もう一年以上職場と家の往復だけで、どこにもでかけていない私です。
加えて家のことやら自分の体調がすぐれないことやらでストレスはMAXでした。
(サークルの角に来ると、グイグイ押してこんなふうになってしまいます。)
(安心してください、曲がっているけどちゃんと首はあります。)
さらに、私は7年前に、ペット業界に片足突っ込んだ知り合いがいて、
この業界の恐ろしい闇を、ここにはとても書けないほどのひどい虐待の事実を知ってしまいました。
で、それからというもの、それまで好きだったこと
音楽を聴きに行くことも、演奏することも、歌うことも、
なぜか心から楽しいと感じなくなってしまいました。
私は、子供の頃から洋楽が大好きでした。
10代になってからは、クラシックだけでなく、70年代ロックを聞きまくり、歌いまくっていました。
ギターはほぼ独学で、ピアノやバイオリンも習って、
大人になってからは市民オペラにも入り、舞台で歌ったりもしていました。
どれもまるで才能がないのでものにはならなかったけど、ほんとに楽しかったんです。
でももうあのわくわくした時間からは、長いことすっかり遠ざかってしまっていました。
そんな、悶々としていた私でしたが、
昨年11月に公開された、クイーンの「ボヘミアンラプソディー」
ブロ友さんたちのお勧め記事を見て、行きたくてたまらなくなりました。
クイーンは私の青春の1ページだったから。
エリッククラプトンやシカゴ、ドゥービーブラザーズにフィルコリンズ、…
そしてクイーンはレコードだけでなく、自分でベストアルバムのテープを作って、
ビロンビロンに伸びるまで聞いていました。
年が明けてもまだ一日に5回も6回も上映しているのがわかって、
さくらは心配でたまらないけど、
思い切って家族が帰ってきてから夜遅く見に行きました。もちろん、IMAXで。
はい、あの青春時代のときめき、忘れていた感動がよみがえってきました。
鳥肌たちっぱなしでした。
なんでだろう、ライブエイドの迫力だけではなく、
完璧なスターだと思っていたフレディに、
人種差別や、性的マイノリティ差別の苦悩があったと知ったからかな。
フレディは猫好きで有名で、最後は10匹もいたそうですが、
エイズで自分の命がわずかと知って、
全ての猫が幸せになれるようちゃんと手配してから逝ったところも好感もてます。
そして、いろんなことでずっと落ち込んでいた私に、優しいブロ友さんが、
歌を歌ってみるといいですよとそっとメッセージをくれました。
クイーンとブロ友さんのおかげで、やっと心に火がついた感じです。
あれから、家にいるときは、ずっと歌っています。
なつかしい青春時代の曲をアマゾン聞き放題で流しながら。
忘れていた歌詞も少しずつ蘇ってきました。
もちろん、目が離せないのでさくらのサークルの中でね。
不思議なことに、私が歌っていると、さくらが必ず私の膝の上にきて眠りこけてしまうんです。
なんでかな、大声だしてうるさいはずなのに。
私がリラックスすると、さくらも安心するのかな。
私がメソメソしたって何も解決しないのだから、
たまにはストレス発散することもさくらのためにいいのかなと思いました。
まだ来月も見るつもりなので、
どこかのIMAXで興奮して失心しそうになってるおばさんがいたら、
たぶんそれが私です。