日本について、日本人の自分についていろいろと考えさせられた記事です。



CREATIVE TOKYO フォーラム 松岡正剛講演 全記録


松岡正剛氏の著作は最近読み始めました。


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この講演もそうですが、松岡氏が指摘する「日本」がもっている多様性、その多様性を生み出す(形作る)方法についての指摘は本当に興味深く、いろいろな気付きがあります。

この講演で説明されているパンフレット(経済産業省のページから入手可能。2012年1月18日現在で、在庫切れとのことです)は本当に面白くすごい。今までのどの本よりも日本をわかりやすく説明していると思いました。その中の、日本の昔からある組織形態(結、座、講、連、組)、3つのモード(真、行、草)、ラーニングプロセス(守、破、離)、多様な物を取り込む編集技術(あわせ、かさね、きそい、そろい)、主と客をつなぐ舞台装置(もてなし、しつらい、ふるまい)なんかはいろいろと考えさせられたし、いろいろな場で適用したいとも思わせる面白さがあります。

例えば、組織形態については、以下のように定義されています。

 結(ゆい:労働力を対等に交換してむすばれる)
 講(こう:知能、技術、お金を持ち寄りプロジェクトを共同で行う)
 座(ざ:同業という関係で結ばれ、上納金のかわりに独占権を主張できる)
 連(れん:非営利で趣味や遊びを続けるために広げていくネットワーク)
 組(くみ:同じ目的に向けて事をするべくために組織された)

これをみて思ったのは、自分が属している場や組織をどの組織として意識しているのか、その認識が違った場合にいろいろと問題が起きているのではということです。企業にしてみても、「結」だと思っている人もいれば、「座」と思っている人もいる。SNSにしても「連」だと思っている人もいれば、「組」にしたい人もいる。昔は、その微妙なニュアンスの違いを組織の形態の違いとしてきちんとわけていた。しかし、今は「組織」という一つの言葉にまとめてしまったために、微妙なニュアンスが共有できず、そこに参加する人の思惑が違ってしまっている。この日本古来の組織の定義はその組織のあり方を考える/定義する時に非常にわかりやすく、役に立つと思いました。

そんな感じで、このパンフレットで定義されれている「方法」はいろいろなことを考えさせられるものばかりでした。そして、この「方法」の面白いところは、その言葉で説明すると、腑に落ちるということです。そして、その腑に落ちやすさを感じた時に、日本はこの手法で作られているし、自分はやはり日本人なんだな確認ができる、そんな面白さがこの「方法」にはあります。

ともかく、いろいろな気づきと、いろいろなヒントが得られた講演&パンフレットでした。