こんにちは。
今日は敬老の日ですね。
敬老の日には、うちの大正生まれの祖父の話を書くのが恒例となってしまいました。
なので、今日は祖父の話
うちの祖父はきな粉が大好きだった。
昔は食べたくても食べられなかったからなのか、きな粉に異常に執着し、台所の棚には常にきな粉と砂糖が2~3袋あった。
草もちにきな粉をつけて食べる時は、草もちをぺちゃんこにつぶし、スプーンのようにきな粉をすくって食べ、草もちを食べているのかきな粉を食べているのか分からなかった。
もう高齢だし好きなものを食べたらいいと思い、私は何も言わなかったのだが、
祖父の娘に、
「きな粉なんか食べんじゃねーよ」
と怒られていた。
けれど、いつの間にかスーパーで買ってきて、娘がいないところでコッソリ食べていた。
ある日娘がやってきて、押し入れにしまってある座布団か何かを取り出そうとふすまを開けた。
その瞬間、家中に響き渡るような大声が聞こえてきた。
押し入れの中が、なぜかきな粉だらけだったのだ。
娘:
何だこれ
きな粉
次の祖父の言葉に耳を疑った。
祖父:
さくらだっぺ
(どうして私がきな粉をまき散らす?!)
娘:
父さんだっぺ
(その通り)
祖父:
あ
 
何だっぺ
(二人とももう少し静かにお話しください)
祖父の娘は、
なんで押し入れの中がきな粉だらけなんだっぺ
と言いながら、押し入れを掃除しようと布団や座布団などを取り出した。
すると、奥の方からラーメンのどんぶりが出てきた。
娘:
何だこれ
どんぶり
どんぶりにはきな粉大盛りとれんげが入っていて、新聞紙で蓋してあった。
祖父はきな粉を押し入れに隠し、誰も見ていないところで口いっぱいにきな粉をほおばり、
ブフォッ
と吹き出したり、ゴソゴソやったりしている間にきな粉をこぼして、押し入れの中をきな粉だらけにしてしまったのだ。
娘:
これ、父さんだっぺ
祖父:
んだ。オレだ。
あはは
祖父は照れ笑いをしていた。
続く・・・。
また明日
 


