金融庁が2019年6月3日に公表した報告書
高齢社会における資産形成・管理」で、
年金収入に頼った世帯では
「毎月約5万円の赤字」が出ると試算されている。

赤字は長生きするほど積み重なり、
20年で1300万円、30年だと2000万円
に膨れ上がる計算だ。


報告書の数字を額面通りに受け取ると、

「ムダ使いは一切せず、
退職金を少しずつ取り崩して、
毎月の赤字を補填していこう」と考えたくなるが、


それを実践した結果、
晩年に後悔に苛まれる可能性がある。


77歳になった長谷川さん(仮名)が重い口を開いた。

「退職してから、節約に努めてきました。
現役時代には時々出かけた温泉旅行も控えてきたし、
夕食はスーパーのタイムセール品を買うようにした。


おかげで退職金の取り崩しは
毎月2万~3万円で済んだし、
まだ通帳には1000万円も残っていますよ」


資金に余裕はある。
ただ、長谷川さんの表情は曇ったままだ。


後悔を口にしたのは、
昨年病気で亡くなった妻に話が及んだ時だ。


「一人になって過去の手紙なんかを整理していたら、
同窓生たちからの便りには
退職して間もなく夫婦で行った
旅行先からの絵葉書が多いことに気づいたんです。


私も、元気なうちに海外旅行にでも
連れていってあげればよかった。

お金があっても彼女がいない
今となってはもう手遅れですが……」


実は高齢者世帯といっても、
ライフスタイルには年齢ごとに変化が生じている。

総務省の「家計調査(2018年)」によれば、
60~65歳の高齢世帯の消費支出は
月に30万4600円なのに対し、
75~74歳では25万8400円と15%も縮小する。


ファイナンシャルプランナーの
大沼恵美子氏はいう。

「定年直後は誰しも
同窓会や夫婦旅行の楽しみが多い半面、
出費もかさんでしまいます。


一方、70代半ばごろから
お誘い自体が少なくなる。


歳をとると支出は減るという点は、
定年後の資金計画を立てる際に
見逃しがちなポイントです」


預貯金が多く残れば幸せとは限らないのだ。

 

<<出典元>>https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190617-00000004-moneypost-bus_all