健康と命を創る ”漢方の平成堂薬局”

健康と命を創る ”漢方の平成堂薬局”

不妊治療をしてもなかなか授からない方
難治性疾患で病院治療を重ねても改善しない方
そんな方がご相談する漢方薬局のブログです

(この記事は3分で読めます。専門度★★★★)

ストレスは血流悪化を生む

交感神経が昂っている時は無意識に身体に力が入ります。
 
 
「交感神経が昂る」という表現が分からない場合は
”緊張した時”を考えてみましょう。
 
 
緊張時は肩に力が入って身体が固くなるイメージはわかりますね。
 
 
力が入ると大きな筋肉に血が集まりますが
逆に毛細血管は縮み上がり血が通いにくくなります。
 
 
卵巣や子宮へ酸素や栄養を送っているのは
最終的には毛細血管です。
 
 
つまり緊張状態やストレス状態は一時的ではあまり問題ありませんが
長い期間その状態にあると子宮や卵巣機能が落ちてしまいます。
 
 
強いストレスを受けた時に生理が飛んでしまったり遅れる人がいますが
これは「ストレス→血管収縮で生殖機能低下」によるものです。
 

ストレス時の血行改善の漢方薬

  1. 血府逐瘀丸
  2. 芎帰調血飲第一加減
  3. 野牡丹+逍遙散を始めとした柴胡剤
  4. 野牡丹+香蘇散
  5. 折衝飲+逍遙散を始めとした柴胡剤
  6. 折衝飲+香蘇散
”柴胡”と言われる生薬はストレス時などの気鬱改善のお薬に有効です。
 
 
その為、ストレス社会と言われる現代では柴胡の入った処方が使われる機会が多く
それらを”柴胡剤”と言います。
 
 
ストレスからの気鬱を改善する作用は良いですが
柴胡剤は基本は気を動かすだけで血を動かす作用は弱いため
 
柴胡剤+血剤の組み合わせで子宮内をお掃除しながら
ストレスを緩和して身体を整えていきます。
 
 
子宮内を整えるお薬は前回にも出場した野牡丹や折衝飲
 
 
また、柴胡剤は少し身体を乾かす作用があるため
渇きすぎないように潤い要素も補助として追加したり
柴胡剤が身体の負担になる人には香蘇散などの理気剤で調整していきます。

補足

ストレスは環境によるものもありますが
自分で生み出してしまう性格の方もいます。
 
 
特に妊活は妊活が上手くいかないこと自体がストレスであり
その原因は治療方針に対して先が見えないと感じることや
自分の身体への不安が強くなるためでしょう。
 
 
上記の漢方で気鬱を取ることも大事ですが
身体作りを通して自分の身体に自信を持ち
これからの妊活の道筋をはっきりとさせることでストレスを軽減することも大事です。
 
 
平成堂薬局での子宝相談は漢方を出すだけでなく
カウンセリングも兼ねているのはその為です。
 
 
妊活がストレスになっている人はとても多いです。
 
 
1人で悩まず
漢方薬でも妊活カウンセリングでも
赤ちゃんを受け入れるための身体作りをしたい方はご相談ください。
 

体内の邪熱により血流が良くない場合

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血行不良を改善して不育症を克服するには

  • 冷えて巡らない
  • ストレスで血管が収縮している
  • 体内に熱が溜まり血の潤い不足により巡りが悪い
  • 運動不足により心臓ポンプや筋肉ポンプの力が弱い
  • 老廃物が除去できていない
  • 貧血で巡るものがない
  • 疲れ切っていて巡る力が出せない
  • リンパの巡りが悪いことが血管にも影響している
  • 姿勢が悪い
  • 運動不足による酸欠
同じ”血行不良”でも色々な原因があります。
 
 
ただ”血行に良い薬”を使うだけでは効果的ではなく
原因からアプローチしないと子宮環境は改善しません。
 

冷えてたら血行不良になる理由

カレーや水あめをイメージしてみましょう。
 
 
冷やしたカレーや水あめは粘性が高く
温めたカレーや水あめはサラサラと抵抗が弱まりますね。
 
 
同じように血は冷えると巡りが滞りがちになります。
 
 
さらに身体が冷えると血管はキュッと細く絞められます。
 
 
これは血管を拡張したままで冷えに触れる面積が大きいと
表面だけでなく身体の中に冷えが入り込んでしまうためです。
 
 
血管がキュッと縮こまると
うっすら赤味のある顔色は白っぽくなるため
冷えて血が通いにくい人の顔色は青白くなります。
 
逆に体内に熱がある人は余計な熱を外に逃がすため
血管を拡張して空気に分散する為
熱の溜まりやすい顔色は赤味を帯びます。
 
 

冷えて血流が悪い場合には

  1. 野牡丹+当帰四逆加呉茱萸生姜湯
  2. 野牡丹+当帰芍薬散
  3. 芎帰調血飲第一加減
  4. 折衝飲
  5. 還元清血飲
  6. 温経湯
  7. 桂枝茯苓丸
を使用します。
 
 
1&2で使用している野牡丹自体は微涼性ではありますが
子宮内をお掃除するお薬としてはとても優秀です。
 
 
そこに当帰剤で温め
血を温め血行改善しながら子宮をお掃除すると良いでしょう。

 
当帰芍薬散と当帰四逆加呉茱萸生姜湯の使い分けは
当帰芍薬散は血虚と水滞による血行不良の冷えに対し使用し
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は呉茱萸や細辛を含むため
より冷えの程度が強いものを温める効果を求めて使い分けます。
 
 
分かりやすく言うと
当帰芍薬散は血を巡らせて温かみを届けるお薬で
当帰四逆加呉茱萸生姜湯はそれにプラス強力に中から温めるお薬を追加していると考えてください。
 
 
3は血を整える生薬がたくさん配合されています。
 
 
産後に排出しきれなかった子宮内の状態を整えることにも多用する為
子宮内を整えることには大変有効で
かつホルモンバランスを整えたり、血を補ったり、温めたりと
万能なお薬です。
 
 
単独でも有能ですが
万能ゆえに、カラダに合わせて何か加味して調整する方が有効なお薬ではあります。
 
 
生理痛や腰痛など、強い痛みを引き起こす場合には
牛膝、延胡索、紅花などが多めに配合された折衝飲が良いです。
 
 
還元清血飲は妊活に使用される例は少ないかもしれませんが
個人的には動脈側の瘀血タイプに使用していきます。
 
 
生まれつき心臓の働きの悪い方や
運動不足で心臓の機能が落ちて老廃物が溜まっている方などに使用することが多いです。
 
 
6と7は保険内の漢方薬であるため、メジャーでしょう。
 
 
温経湯は字でもいかにも温めるお薬です。
 
 
目的としては温経湯≒野牡丹+当帰四逆加呉茱萸生姜湯ですが
野牡丹+当帰四逆加呉茱萸生姜湯の方が子宮を整える力があるでしょう。

その他の温めるお薬

身体を温めると言えば12経に陽気を走らせる”附子”や
お腹を温める”乾姜”などもあります。
 
 
別で腎の冷えや脾の冷えがあるなら使用しますが
これは血を温めるというより各臓腑の働きを温めて機能を高める生薬であり
むしろヘタに使うと温めて血の液体を乾かす作用もあるため注意が必要です。
 
 
子宮内をお掃除して不育症を改善するという意味では
これらの温めるお薬は中心には考えません。

ストレスで血管が収縮している時の漢方薬

 

いつも当ブログをお読みいただき

ありがとうございます

 

 

このブログを読んだことが

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最近、間質性膀胱炎の方からのご相談が増えております。

 

間質性膀胱炎は難治性で、何とも言えない不快感が一日中続き

そして夜は睡眠を妨げ、膀胱症状以外に精神的負担も強い疾患です。

 

漢方の知識がこれまでの間質性膀胱炎で悩む方の助けになっておりますので

参考になれば幸いです。

 

 

 

 

  慢性膀胱炎

 


抗生剤を服用しても効果が見られない、もしくは一時的に症状が落ち着いても抗生剤の服用を止めると症状がぶり返してしまう膀胱炎を”慢性膀胱炎”と言います。



いずれの場合も原因は細菌の繁殖であるため抗生剤を連用することが多くなりますが、長期の抗生剤の服用は細菌に耐性ができてしまうこともあります。


膀胱炎の特攻薬である抗生剤が長期服用できないor効果が見られない場合、西洋医学では打つ手がなく苦しむことの多い疾患です。
 

 

  治療薬

 

・雑菌の繁殖を抑える抗生剤

・五淋散

・竜胆瀉肝湯

・猪苓湯(猪苓湯合四物湯)

・清心蓮子飲

・加味逍遙散

・六味丸ベース処方(八味丸・牛車腎気丸・麦味地黄丸・知柏地黄丸)

・免疫力を上げる漢方薬

・湿痰邪を除去する漢方薬

 

(五淋散~六味丸は急性膀胱炎記事とほぼ同様のことが書いています)

 

  処方解説

抗生剤

 

抗生剤(抗生物質)は急性膀胱炎には第一選択のお薬ですが、抗生剤で上手くコントロールができない膀胱炎が慢性膀胱炎です。


つまり慢性膀胱炎に対しての西洋薬は、一時的な症状緩和のお薬はあっても治療薬は無いということになります。


膀胱の不調を根本から解決する方法は、以下の漢方薬を基本にすることで治療していきます。
 

五淋散

急性膀胱炎治療に対して使用頻度の高い漢方薬です。


膀胱炎は、漢方では膀胱に“湿熱”という邪が悪さをしていると考えられている病態です。
その湿熱を除去することで膀胱炎を治していくというわけです。


湿熱は“湿”という水分代謝を悪化させるワルモノと、“熱”という熱感や炎症症状を生むワルモノに分かれますが、3大膀胱炎漢方薬の中でも五淋散は湿邪と熱邪が半々程度の処方であり、多用されることが多いです。

●構成

山梔子、黄芩、芍薬、甘草、茯苓、当帰、地黄、沢瀉、木通、滑石、車前子
 

竜胆瀉肝湯

五淋散の解説に書いた湿邪と熱邪のバランスでは、“排尿痛”などの痛みが強い場合や、小便の色が濃く匂いが強いなど、熱邪>湿邪の膀胱炎には竜胆瀉肝湯を使用します。

下焦の湿熱邪に著効するため、膀胱炎に限らず大腸、子宮などの生殖器周辺の炎症症状にも使用します。

元々熱邪に傾きやすい体質の方に使用することが多く、イライラしやすい、のぼせやすいなどの冷えよりも熱感症状を訴えやすい方に使用されることが多い漢方薬です。

竜胆瀉肝湯という名称は同じでも、“一貫堂の竜胆瀉肝湯”と“薛氏医案の竜胆瀉肝湯”の2種の処方構成が存在する珍しい漢方薬です。一般に“薛氏医案の竜胆瀉肝湯”は炎症・熱邪の鎮静化に優れている為、急性膀胱炎にはこちらを使用することが多いです。

“一貫堂の竜胆瀉肝湯”は解毒体質の方に合わせて再構築されたお薬ですので、急性膀胱炎より慢性症状に使用する例が多いです。

●構成(薛氏医案の竜胆瀉肝湯)
竜胆、山梔子、黄芩、木通、沢瀉、車前子、当帰、地黄、甘草

●構成(一貫堂の竜胆瀉肝湯)
竜胆、山梔子、黄芩、木通、沢瀉、車前子、当帰、地黄、甘草、芍薬、川芎、黄連、黄柏、連翹、薄荷、防風
 

猪苓湯(猪苓湯合四物湯)

湿熱では湿邪>熱邪の膀胱炎に使用します。熱症状は特に強くなく、痛みなどよりも膀胱の不快感や排尿に伴う水分代謝異常の訴えが強い場合に猪苓湯を選択します。

炎症症状が長引くと患部の部分的血虚を招く恐れがあるため、慢性化した場合には猪苓湯に四物湯を混合した猪苓湯合四物湯を使用します。

●構成(猪苓湯)
猪苓、茯苓、沢瀉、滑石、阿膠

●構成(猪苓湯合四物湯)
猪苓、茯苓、沢瀉、滑石、阿膠、当帰、芍薬、川芎、地黄
 

清心蓮子飲

心身の疲労から心熱・小腸熱を生み、膀胱に影響している膀胱炎に効果的です。
つまり、3大膀胱漢方薬とは違い、湿熱邪にスポットを当てた漢方薬ではありません。

膀胱炎症状に使用されることもありますが、急性症状を抑える効果はほぼ無いため、急性膀胱炎にはあまり使用しません。

この漢方薬は、膀胱炎症状が強い方よりも、膀胱からの不快症状が気になって、不安・パニック・不眠などの神経症状に発展する場合に使用すると効果的です。

例えば外出先でトイレがないなどの環境になると急に膀胱炎用症状が強まる方や、少ししか溜まっていないのに寝る前に小便に行かないと眠れないという場合に良いでしょう。

個人的には、膀胱症状よりも、神経を落ち着かせて膀胱過敏反応を抑えるという考えで使用しています。

●構成

蓮肉、麦門冬、人参、茯苓、車前子、黄耆、甘草、地骨皮、黄芩
 

加味逍遙散

加味逍遙散も急性膀胱炎の根源である湿熱邪に目を向けた漢方薬ではありません。

熱邪を抑える作用や湿邪を利水するそれぞれの作用は弱いですが、膀胱炎の発症原因が生理周期や更年期に伴うホルモンバランスの影響、またはストレスにより肝火を生じ、それが膀胱炎に影響した場合に使用します。

また、熱邪が強いタイプの膀胱炎に使用する竜胆瀉肝湯は地黄が多く胃への負担も大きい処方で、かつ熱邪を駆逐する為冷やす作用も強めです。

冷え寄りの身体や、胃が元々弱いタイプの方には使用しにくい難点がありますが、この場合に加味逍遙散を代用することで膀胱の炎症を和らげ、虚や冷えに配慮しながら緩和する場合にも使用します。

生理周期毎に膀胱炎を繰り返す人には、発症してからではなく予防的な服用としても優れています。

●構成

山梔子、牡丹皮、柴胡、芍薬、甘草、生姜、茯苓、白朮、当帰、薄荷
 

六味丸、そしてその加味方

漢方において『膀胱』と『腎』は臓腑では表裏の関係にあり、切っても切れない大事な関係にあります。

そのため、症状を繰り返す、または抗生剤が効かないタイプの”慢性膀胱炎”は『腎の弱り』からきていることが多いため、上記の膀胱”炎”の炎症を抑えるお薬ではなく『腎』を強めることで膀胱の負担を軽減するお薬が効果的です。

その最たる処方例は六味丸。しかし実際の臨床例では六味丸単独ではなく、その骨格を基にした加味方で調整しないと効果が得られない場合が多いです。

・『腎』が冷えて膀胱の不調を生んでいる場合には八味地黄丸

・さらに加齢などの腎虚が強く水分代謝が落ちている場合には八味地黄丸に牛膝と車前子を加味した牛車腎気丸

・腎陰虚をベースにしつつ“虚火”というくすぶった炎症を引き起こしている場合には知柏地黄丸

・腎虚と同時に膀胱粘膜が薄く過敏になっている場合には麦味地黄丸

など、加味方でコントロールしていきます。

個人的には、慢性膀胱炎や間質性膀胱炎の長期的治療において、麦門冬・五味子の入った麦味地黄丸で腎陰を補いつつ、膀胱の表層粘膜を潤わせることが多いです。

また六味丸ベース処方は全てに地黄が配合されており、例によって胃の弱い方は胃もたれなどを生じる場合もあります。地黄の量を調整したり、縮砂の入った香砂六君子湯などで胃の負担もケアしながら服用することが大事でしょう。

●構成

六味丸

地黄、山薬、山茱萸、茯苓、牡丹皮、沢瀉

八味地黄丸

地黄、山薬、山茱萸、茯苓、牡丹皮、沢瀉、附子、桂枝

牛車腎気丸

地黄、山薬、山茱萸、茯苓、牡丹皮、沢瀉、附子、桂枝、車前子、牛膝

知柏地黄丸

地黄、山薬、山茱萸、茯苓、牡丹皮、沢瀉、知母、黄柏

麦味地黄丸

地黄、山薬、山茱萸、茯苓、牡丹皮、沢瀉、麦門冬、五味子
 

免疫力を上げる漢方薬

慢性膀胱炎は細菌の影響によるものなのに抗生剤が効かないor再発を繰り返すワケは、抗生剤自体に効果が無いということではありません。

勘違いしている人も多いですが、抗生剤は殺菌・消毒のように菌を殺したり消滅させる働きは無く、あくまで『増殖を防ぐこと』が薬効です。

つまり最終的に菌を倒すには、ヒトが外敵と闘う力である“免疫力”が重要であり、“免疫力”が低下していることで慢性膀胱炎になってしまっていることもあるというワケです。

過労などにより免疫力の根源である“気”を消耗している場合には参耆剤である補中益気湯や十全大補溏で“気”を補ったり、漢方での免疫力を指す“衛気”を玉屏風散で補ったり、衛営不和には桂枝湯などで対応します。ですが理屈と臨床ではなかなか乖離が激しい分野であり、即膀胱炎の不快症状に反映されるわけでもないので、根気が必要です。ですが、根本から解決する場合に考慮しておかなければいけない問題です。

●構成

補中益気湯
人参、蒼朮、黄耆、当帰、陳 皮、大棗、柴胡、甘草、生姜、升麻

十全大補湯
桂皮、黄耆、人参、白朮、茯苓、甘草、当帰、川芎、芍薬、地黄

玉屏風散
黄耆、白朮、防風

桂枝湯
桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗
 

湿痰邪を去る漢方薬

体内に『湿痰邪』が存在するということは、カラダの中が水で汚れた部分があるということです。
カビなども高湿度環境を好み繁殖するように、膀胱炎を起こす細菌も体内にある水の汚れを好みます。

免疫力が高くても湿痰邪を抱えていると、結果的には細菌感染症状を繰り返しやすい体質となってしまいます。

特には胃腸が湿痰生成の始まりと言われるため、その原因から駆逐するために六君子湯や香砂六君子湯、加味平胃散などを使用していきます。すでに湿痰邪が三焦(身体中のリンパ)に蔓延している場合には、柴苓湯や藿香正気湯を使用します。

●構成
六君子湯
人参、朮、茯苓、半夏、陳皮、大棗、甘草、生姜

香砂六君子湯
人参、朮、茯苓、半夏、陳皮、大棗、甘草、生姜、縮砂、香附子、藿香

柴苓湯
柴胡、半夏、黄芩、人参、生姜、甘草、大棗、桂枝、朮、茯苓、猪苓、沢瀉

藿香正気散
藿香、厚朴、紫蘇葉、白芷、半夏、桔梗、茯苓、白朮、陳皮、大腹皮、乾生姜、大棗、甘草


≪まとめ≫
慢性膀胱炎の場合、症状が強い場合は標治を率先し、急性膀胱炎に多用する五淋散、猪苓湯、竜胆瀉肝湯を軸と考えて処置することから始めます。しかし、それらで症状の緩和があったとしても、それらの薬を止めると再発してしまうのが『慢性膀胱炎』です。

そのため、症状が安定してきたら同じ処方ベースを続けるのではなく、慢性症状を起こす原因解消(本治)にシフトしてきます。

心的負担が熱を生み膀胱に影響しているのか、ホルモンバランスやストレスの影響で熱を生んでいるのか、腎虚によるものなのか、免疫力低下によるものなのか、湿痰邪によるものなのか。
また、慢性症状は患部周辺に常に炎症が生じていることで周りの血行環境にも影響し、つまり患部周辺の瘀血を生成し、さらに瘀血や慢性炎症は部分的な陰虚へと発展してきます。過去には有効であったお薬が効かなくなる原因はここにあり、長引くほど患部瘀血や陰虚にも配慮する必要があります。

陰虚が進んでしまうと、『慢性膀胱炎』→『間質性膀胱炎』に発展してしまうことがあり、『間質性膀胱炎』では炎症が起こっていなくても膀胱炎様症状が感じてしまうというより難治疾患となってしまいます。

同じ膀胱炎でも漢方による対応は全く違うので、下記の関連疾患を参考にしてください。
 

関連疾患

・急性膀胱炎・腎盂腎炎(腎盂炎)

・間質性膀胱炎

・過活動膀胱

・前立腺炎、前立腺肥大


※各疾患別考察ページは、臨床経験と共に追記、または一部内容を変更することがあります。

歴史の長い医学・医術である漢方は、西洋薬のように新しい薬が開発されることはありません。しかし、臨床の場数を踏む中で、参考にする所見部位や各疾患に対しての考え方を変えざるを得ない現実に。書籍・講義等で得られる情報が、必ずしも実際の臨床の場で体験したことと一致しないことがあるためです。

ヒトも漢方も生きています。つまりヒトも漢方も進化しているワケで、昔の理論を吸収し、乗り越えるという意味で、内容が変わってしまうこともありますが、ご了承ください。

 

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